変態女でありながらとてつもない天才、のだめ(野田恵)。
<br />たまたまのだめの演奏を耳にしたエリート養成専門の"ハリセン"こと江藤がのだめの才能に
<br />惚れ込み、担当を買って出た。
<br />だが、野心も上昇志向もないのだめにとってはありがた迷惑だっただろう。
<br />のだめはそもそもただピアノが好きなだけなのだと思った。別に有名になりたいとか、誰かに
<br />勝ちたいとかそういう気持ちはのだめからは感じない。ただ、千秋がのだめのピアノが好きだから
<br />ひいているような気がする。
<br />真の天才とは無心なのかもしれない。
<br />だが、そんなのだめの気持ちとは裏腹に千秋も周囲の多くの人間ものだめに上を目指すことを
<br />望んでいる。
<br />のだめはそんな周囲と正反対な自分の気持ちとにどう折り合いをつけるのか?
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やはり女の子の視点から千秋、峰、黒木、菊池を描いているんだなと感じました。逆に女の子への憧憬の様なものが全然感じられないんだな。男が描く作品には必ずこれがあって非現実的な感じになってしまうんだけど。同様にこの作品の男達がどうも非現実的に描かれているようで違和感ばかり感じられてしまう。
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<br />でも男の視点から見てのだめちゃんは可愛いです。こんな子がいたら楽しいだろうな。
第7巻はハリセン再登場とR☆Sオーケストラ始動の模様を描く。
<br />指導方法には昭和体育系の臭いを感じるものの、腕は(たぶん)確かなハリセンの再登場。
<br />超スロースターターのだめのエンジンが4年生にしてスタートするのか否か?
<br />もっとも音楽といってもその幅は広く、いわゆる王道的なイメージが漂う道もあれば、地味ながら全体のレベルアップには欠かせない草の根運動的なものまで範囲はまさに無限である。
<br />のだめが志向するのは後者だけど、望むと望まないにかかわらず前者の方向に行くのかなと思う今日この頃である。
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<br />海外に雄飛して本場の舞台で勝負したいと心中願うものの、幼少時のトラウマの影響で海外に雄飛できない千秋。
<br />では、学外オーケストラであるR☆Sオーケストラは、満たされぬ渇望に対しての代替手段なのか?
<br />このあたりの解釈の違いや考え方の修正により、その後の進路は大幅に変わってくるのだろう。
<br />いずれにしても若い頃の苦労は買ってでもと昔の人が言うように、多少の回り道はあっても良いと個人的には思う。
<br />だがいずれは海外で勝負して欲しくも思うのだ。
<br />その時に国内の仲間との別離の心情描写にも期待したいと思う。
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<br />最後になったけれど、裏軒パパの活躍は注目に値する。
<br />音楽大学裏の中華料理店の大将だけにとどまらない器だ。