本書で紹介されている『坂道』を思わず、見に行ってみたくなるような、素人離れした(!)素晴らしい写真。そして『坂』に関する博識ぶり。多芸多才なタモリ氏には改めて舌を巻かされる。
<br />本文もさることながら、往年のタモリ氏の持ち芸・ハナモゲラ語のような読者を煙に巻くまえがき・あとがきもとても面白い。
<br />また本書は、「TOKYO1週間」の連載をまとめたものだけあり、坂ごとの「お散歩ルート」や「お立ち寄りSPOT」が地図入りで紹介されており、散策に便利。
<br />近くの人は休みの日にでも実際歩いてみたらどうだろうか。
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最近、タモリに、ある抜本的な変化が起きつつあるようにみえる。
<br />「食」をひととおり極めた人間が、「住」にむかうという変化である。
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<br />深夜番組「タモリ倶楽部」では、コンクリートの強度実験や
<br />間取り、道路、ダム、鉄道など、建築・土木技術に介入しはじめているし、
<br />東大建築学科卒の菊川怜に、「建築やった方が絶対いいよ」と、
<br />アジテートしているのを目撃したこともある。
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<br />だいたい、彼は、ソクラテスや浅田彰のように
<br />「書かないひと」と思い込んでいたのに、
<br />この「TOKYO坂道入門」という本を出したではないか。
<br />これは、タモリによる都市論以外のなにものでもない。
<br />平日の白昼の電波をジャックし続ける男が、土日の坂道をのっとったのだ。
<br />まったく、タモリは、自由でアモラルなのだった。
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<br />この推論でいけば、タモリは、今後、建築論に、
<br />いやもしかすると建築設計に手をだすかもしれない。
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面白いですね~この本。時々思い出してはページをめくり、今度の休みはこの坂を見に行ってみようかねとカミさんと話してます。<br>ウルトラメジャーなタモさんがこういうマニアックな世界を書くからより一層面白みが増しますね。