1・2巻に比べると、3巻は全体的にデキが良くないです。ファッション好きの若い男の社員の話は、結局何を伝えたくて作った話なのかが意味不明です。これからの複線なのかもしれませんが、あまり複線をおくタイプの漫画家なので、たんに失敗しただけかと思われます。
サラリーマンに「しょーがねーな、明日も働くか」と前を向かせるマンガです。
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<br />主人公の弘子はとりあえず仕事ができすぎちゃって、そこに説得力が薄いといえば薄いのですが
<br />プライベートの悩みごとのリアルさで巧くバランスがとれていて嫌味がありません。
<br />何より、決して安定しているとはいえない線で描かれた人物の描写の巧いこと巧いこと
<br />(稲中卓球部の古谷さんのブス描写の巧さに近いものがあると思うのですが)
<br />特に梶さんと由実ちゃんという、異なるタイプの2人の「女に嫌われるモテ女」の、顔、体型、ファッションの描き分けが秀逸です。
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<br />ハッピーエンドばかりではないのに、1話完結に近い形の時代劇のような構成が爽快感を増していて、
<br />読むと不思議と前向きな気持ちになれます。
<br />女性マンガと青年マンガの異なる人物描写の深さの両方を備えた作品だと思うので、
<br />男性女性双方にお奨めしたいです。
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<br />特に、明日も働かなくてはならない人に。
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主人公だけはなく、週刊「JIDAI」に関わるあらゆる仕事、それに取り組む人々
<br />全てが何か自分の中に熱いものをしっかりと持っている。しかしそれをうまく表現でき
<br />なかったり、うまく発揮できなかったり、歯車がうまくかみ合わなかったり・・・。
<br /> 今回もそんな連続を乗り越えて、「自分の変えてはいけない部分」を頑なに守り、
<br />「変わらなければいけない部分」=まさに「JIDAI(時代)」を力強く切り開いていく。
<br />仕事に翻弄されながら、誰もが仕事を愛し、生き生きしている。読むたびに
<br />エネルギーをたくさんもらう作品だ。