あとがきで作者自ら否定してはいるが、紛れも無くライトノベルにおいてスポ根の新境地を切り拓いた一作の完結、と思う
<br />8巻でああいう引きで終わらせ残りは勝負と思われたが、9巻を読んで厚さに納得、なおかつ白熱
<br />上下巻の下巻とも言うべき本巻ではあるが、一巻だけでもきっちりスポ根のお約束を踏んでおり、手を込んだだけあってクライマックスでの白熱感はなかなか素晴らしい
<br />読んでいる間、とても濃密な一時を過ごさせて貰った
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<br />惜しむべくはお誂えのシチュエーションに幽霊君云々が全くノータッチな事か
<br />これは作中人物ではなく作者自身がド忘れした感がある
バンクーバー五輪に臨むタズサ。そして彼女を襲うアクシデントとは。まあ、良くありがちなパターンですが、間延びしないのがこの作品の秀逸な部分です。これを読んでフィギアスケートに興味を持たれた方もいると思います。今やフィギアスケートの人気は不動の物です。この作品が与えた貢献も大でしょう。巻末に入るとタズサは銀メダリストのライバルに手紙を書きます。そこでタズサは。きちんと纏めた著者の力量と独自の世界観には脱帽です。採点方法が新ルールと旧ルールが混じっているのは割り引きましょう。内容は秀逸です。
これを読んでいる最中終盤になるにつれほんと泣きそうになった。この巻で最後だと思うと本当さびしいです。まぁ最初に結論から言えば最終的には予想どうりの結果で終わります。ただその結果までの道のはなしはかなり重い話になっています。最終巻でここまでやるか!と思いました。あのタズサが死にたい、と思ったほどですから。けどそこから立ち直り、やはり主人公は最後は強いということですね。ただひとつ残念だったところはあの少年がちゃんとした形で出なかったところです(ファンの方ならすぐわかっちゃうかも)いや一応でるんですよ?ほんと一瞬というか一行ぐらいって言うか。でもやはりすべての始まりであったあの人にはちゃんとした形で出てほしかったとおもいます。