この本の気持ちの良さは、著者の自然体な視点にあると思う。
<br />つっぱったり断定したり正義感ぶったり格好をつけたり穿ったりが無い。
<br />普通に考えることを語り行動している気持ちの良さである。
<br />だからこそ著者のツーリングの楽しさがダイレクトに読者に伝わるのだ。
<br />まさしく「自由に至る旅」である!
ツーリング好きならアッという間に読んでしまうでしょう。
<br />それ程に描写が自分の記憶とリンクして楽しめるのです。
<br />口語体もとても読みやすくて文章がどんどん入ってきます。
<br />読者が若者なら著者の旅への想いに洗脳されてしまうのではないかなぁ。
<br />この本で旅に目覚めた人もきっと多いのでしょうね。
色々と考えることがあり、昔なくしたバイクの免許を再度取得しようとしていた矢先に本書に出会いました。
<br />内容はバイクを通し訴えかける著者の人生哲学と、若干のツーリング紀行文、ワンポイントメモです。
<br />ツーリング紀行文、ワンポイントメモとしての観点であれば、他にもっと優れたものがありそうですが、バイクのキーワードである、危険性、一体感(操縦性)、肌感覚等を自己責任、日常や精神の開放と説明する発想には大いに共感を得ました。
<br />家族には愛情をそそぎつつ、会社では責任のある仕事を全うしている。現状に満足しつつも心の奥で少し違和感を感じ始めた人にお勧めです。
<br />少しの違和感、これこそ曲者です。一度心のオーバホールをしてみるのもいいかもしれません。私もバイクとテントを買ってしまいました。自分という基点を見直すために・・・。