チョート校が独創教育を実践しているということなので、その現実を知りたく本書を手に取りました。
<br />半分ぐらいは、文化祭だ、バザーだ、ハロウィンだ、
<br />と普通の高校生の留学生手記として楽しく読めます。
<br />普段なんとなく日米の授業の違いを知っていると思っていましたが、
<br />この本を読んであらためて日米の差について深く知りました。
<br />実験結果の考察でなぜ誤差ができたか、という疑問を大切にするという態度に、
<br />教育の差がもららす社会への影響を考えました。
<br /> 私が思うに、これぐらいで独創的教育といわれるのなら、
<br />日本の高校もすぐさま真似できるようにも思えます。逆に日本の現状に希望が持てました。
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チョートローズマリーを卒業して何故、日本の私立大学(恐らく慶応)の法学部に進学したのか?何故HarvaodやYaleのLaw Schoolを目指して、アメリカの大学に進学しなかったのか?彼女は2001年の9月11日のテロ以降のアメリカ社会のあり方に絶望をしたのだろうか?ノーム・チョムスキーとの対談(別著)が、そのことを示唆しているように思えてならない。
著者がアメリカの名門プレップスクールで1年目を終えた夏休みに書かれた体験記。
<br />どの章もとても面白く、内容に引き込まれ、一日で読み終えてしまいました。
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<br />昨今日本で話題となっている学力低下に興味を持つ私としては、アメリカの高校教育と比較できた点、また、日米における国語教育の違いの2つに特に興味を持ちました。
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<br />ただ、個人的な希望としては、96ページにあった、チョート校の他生徒たちの「日本の教育のほうが進んでいるんじゃないの?」という発言に対してもっと「どうして?」と理由を尋ね、それを掲載して欲しかったと思います。
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<br />当時高校生・16歳の著者がこんなに優れた文章を書いたのかと思うと驚きを隠せずにいられません。著者も文中で述べていることですが、国語(アメリカでは英語)の授業において、題材を用いてそれを読解するだけでなく、それを手本にエッセイの書き方、クリティカルな文章展開についての訓練を行うことも日本の国語教育に取り入れるべきだと思いました。
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<br />著者はチョート校卒業後、日本の私立大学法学部に進学したとのことですが、高校時代の総括となぜアメリカの大学ではなく日本の大学に進学するに至ったかなどをまとめた続編を期待します。