北海道育ちの鞠子と東京育ちの双葉、この二人の主役の章が交互に繰り返され物語は進んでいきます。
<br /> 鞠子は幼い頃から自分が両親に似てなくて、母親から愛されていないことに悩んでいました。中学生の時、一家心中を図った母親が家に火をつけ、母親だけ焼死していまいます。大学生になった鞠子は母親の死の真実を確かめようと東京に向かいます。そこで、自分にそっくりな小林双葉の存在を知ります。
<br /> 双葉は母親と二人で暮らしていました。アマチュアバンドのボーカルでプロになるステップとして、母親に禁止されていたテレビに出演します。その後母親が何者かに轢き逃げされてしまい死んでしまいます。母親の死に疑問を抱く双葉はその真相を確かめるために北海道に向かいます。そこで自分にそっくりな氏家鞠子の存在を知ります。
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<br /> 詳しくは書けませんが二人が出会うシーンは、さすがは東野圭吾です。皆さんも自分で読んで確かめてください。
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<br /> この話にはクローン、体外受精などの言葉が出てきます。今でこそよく耳にする言葉ですが、この作品がかかれた10年前は聞いたこともない言葉だったと思います。 東野さんの知識の豊富さの一端が見れた気がします。
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読んでる最中何度も鳥肌が立ちました。
<br />主人公達に感情移入して読むことができる文章で、
<br />二人が自分の体の秘密を徐々に知っていく様子が
<br />なんともスリリングです。
<br />倫理的な問題を考えさせられた点も良かったです。
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<br />ただ、先に白夜行を読んでしまったせいか、
<br />迫力不足な感じがしてしまいました。
実際にあり得そうだと思わせるのは、作者の筆力のたまものだろう。登場人物の迷いと苦悩が、ありありと伝わる。山本文緒『ブルーもしくはブルー』と設定は共通部分があるが、読後感は全く逆で、こちらや迷いや苦悩の共感を存分に楽しめる。<br />