久々に読み返したこの本、やはり良書です。
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<br />歴史的な突っ込みとしてはいろいろおありかもしれませんが
<br />私にはトテモ理解しやすく読みやすかったです。
<br />歴史がよくわからないものには背景・情景が絵のように伝わることが大切で童門さんのこの本はその点ではとても優れています。
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<br />対人関係や仕事で疲れたとき、元気がないとき、凹んだ時は
<br />この本読むと不思議とまた頑張ろうと思わせられます。
<br />歴史書ではないのかもしれませんねw
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上杉鷹山は17歳で米沢藩主となり、財政が破綻していた藩政を回復させ、日本の中でも屈指の藩と成長させました。私はこの本を読んで、現在の日本であったり会社であったりと構造が破綻している問題をどうすれば再生できるか、そしてその再生過程にはどういう問題が待ち受けていて、どう対処すればよいか等、役に立つ情報が満載であると思いました。印象的な言葉がありました。「何かを変えたい時にはどうすればよいか?それはまず自分を変えることだ。自分の心を変えれば行動が変わる」。上杉鷹山は破綻寸前の藩でまず最初に行ったのは、元気を失った人々の心(マインド)を変えるための方策でした。人心の掌握の術、そして自分の目標に他人を導く術。人は心の持ち方次第で大きく変わります。マネジメントをしている方にはぜひ読んで欲しい一冊です。
日本史を取った方なら上杉鷹山を知っているでしょう。藩政改革をした藩主で、興譲館という藩校を造ったことで有名な人です。だけど、日本で初めて民主主義政治を行ったという事実は、あまり知られていません。 <br>上杉鷹山は九州の小さい藩から米沢藩に養子に来て、わずか17歳で藩主の地位に就きます。この本では歴史的事実を基に、人間味溢れる登場人物の会話を多用しながら、彼の生涯について触れられていきます。<br>鷹山は普通の藩主とは違って、すごく平等主義者だったと思います。民衆の意見を積極的に取り入れたり、改革を始めたばかりの頃は田んぼや畑を回って農民1人1人に声を掛けたりなど、すごく慈愛に満ちたことをしました。その一方で、旧来の封建体制を崩すまいとする米沢の重役達とは、何度も話し合ってもだめだと分かり、潔く処罰するなどいかにも藩主らしい厳しい部分も持ち合わせていました。本当に優れた藩主であり、家来に慕われた様子もこの本からよく分かります。<br>「人は相手が何を言ったかでなく誰が言ったかを気にする」、「人は自分の地位を高めたい時努力するのではなく周囲の人間を引きずり下ろそうとする」。みんなこの本に書いてあった言葉です。何だか今の現代社会に通ずるものがあります。鷹山の行った民主政治は、今の私達が見習わなければならないところがたくさんあります。私はこの本を読んでから、相手の立場を考えて話を聞いたり、辛いことも我慢しようとする姿勢が身に付きました。<br>歴史だけでなく、自らのことも知ることの出来る良書です。心に残った言葉があったら胸に留めておいて今後の人生の指針にすると、ちょっと大人になると思います。