年末年始の長時間フライトで眠られぬままページをくくり読破しました。 帯に2006年度No.1ミステリーとあるように第二巻の最後はミステリーの総決算というか、一気に謎が解きあかされ、また、その筆になんとも味わいがあり、玄人の専門家が高い評価をされることも頷けます。しかし、ハッキリいって第一巻は非常にスローテンポで話しが進み、アングロサクソン流の華々しいというかテンポの速い小説を読み慣れている私には相当の忍耐力を要しました。ポルトガルのファドを楽しめるような年代の大人にはお勧め。血気盛んな青年には、No.1と言えるかどうか微妙な所だと思いました。私自身は、10時間の機内閉鎖状態でなかったら第一巻で挫折していたでしょう。しかし、本はこの上下しか持っていなかったので読み進めたところ、第二巻でいきなり報われた感じがしました。
久しぶりに読み応えのある小説でした。初めから最後まで飽きないしとてもよくできています。著者の作品をまた読みたいと強く思いました。悲しい部分が少しあったので辛い気持ちにもなりましたが、読後感は大満足です。
間違いなく、本年のベスト1(個人的に)!
<br />少年が、大人になって行く成長物語の中に渦巻く、謎、サスペンス、恋物語、そして暗闇に暗躍する謎の怪人!
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<br />これだけでわくわくなのですが、本当に面白い!上下800ペ−ジ以上を一度も飽きさせずに読ませる、その文体も、しっとりとノスタルジ−にあふれ、質の良いヨ−ロッパ映画を観ているような、夢見心地にさせてくれる。
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<br />不幸や、復習に満ちた作品なのに、最後にはすばらしい人生を感じさせてくれる。
<br />本当にこの作品に巡り合えてよかったと思う