風の影〈下〉 みんなこんな本を読んできた 風の影〈下〉
 
 
  ●トップページ   ●研究員紹介 ●研究所規則 ●著作権・免責・リンク ●掲示板 ●更新情報
仕事関連

▼お仕事のご依頼

執筆、取材、講演のお問い合わせはこちらからお願いします。

▼広告のご依頼

MM-Labo.com内への広告のご希望はこちらからお願いします。

風の影〈下〉 ( カルロス・ルイス サフォン Carlos Ruiz Zaf´on 木村 裕美 )

上下巻、一気に読了。 <br />ダニエルとフリアンの人生が錯綜する。 <br />フリアンの人生を知った後、 <br />同じように進んでいく時間が、 <br />決して素敵な結末ではないことを予感させ、 <br />読んでいて苦しくなりました。 <br />しかし、その人生から目をそらすことはできません。 <br /> <br />少年の成長、父と子の愛情とともに描かれる <br />文学、本の存在意義。 <br /> <br />自分自身の読書体験を深く考えました。 <br /> <br />この本をガイドに、バルセロナを歩いてみたいです。

上巻では、主人公ダニエルの恋やフリアンの過去、フリアンの本を燃やす「悪魔」ライン・クーベルトとの対峙などが、まだベールに包まれたあやふやな形で描かれていましたが、下巻に入ると、ダニエルと元ホームレスの友人フェルミンの探偵活動が活発になっていきます。 <br />フリアンの恋が始まったと同時に、緩やかに悲劇が始まっていたことがわかっていきますが、親友ミケルがそれに対して心を砕いたことも感じられます。フリアンとミケルの友情、ミケルのやさしさが行間にあふれ、思わず涙してしまいました。 <br />読み進める間、ずっと、「フリアンは生きているの?」「これからダニエルはどうなるの?」という気持ちが胸を占め、本を手放せませんでした。 <br />上巻、下巻を通して、登場人物の息吹、感情が満ちているのもこの物語の魅力です。中でもフェルミンの存在は大きい。ダニエルと物語を、そして読者を回転のいい頭と口で導いていってくれます。

今、読了しました。書店にあふれる書物から、この一冊を選び取った瞬間に、そこは「忘れられた本の墓場」となり、あなたはダニエルになります。 <br />生き生きとした登場人物と、巧緻なプロット。物語や書物、万年筆などの文具を愛してやまない人にこそ、この本を読んでいただきたいと思います。 <br />また、満ちあふれる警句や、あたかも詩歌のような美しい修辞にも心を奪われます。 <br />そしてなにより、この物語の核は、父と息子の物語であると思います。大切なものが父から息子に継承されることの美しさが、何よりも心を打ちます。 <br />本を読む喜びに浸ることができる、文字通りの傑作です。

風の影〈下〉 ↑ご購入はこちらからどうぞ。
風の影〈下〉
管理人の書評: 僕はこんな本を読んできた。 はこちらからどうぞ。
| ビジネス・経済 | 金融・経営 | 漫画・アニメ | 文学・評論 | 科学・技術 | 人文・思想 | アート・建築・デザイン | 社会・政治 | ノンフィクション | 新書・文庫 | 旅行ガイド | ホビー・スポーツ | エンターテイメント | タレント写真集 | 歴史・地理 | 医学・薬学 | 資格・検定 | 暮らし・健康・子育て | 語学・辞典 | 参考書・受験 | 子供向け | 楽譜

風の影〈下〉