この漫画にはへいきで嘘をつく登場人物が幅を利かせています。
<br />正義の象徴(?)であるLも、へいきで嘘をつきます。
<br />この世に、嘘をつかないで一生を終える人間などいないといってはおしまいですが、
<br />いくらなんでもつきすぎです。
<br />頭のいい人の頭の使い方を見せてもらったというか、
<br />とにかくカルチャーショックでした。
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<br />2人の天才の繰り広げる、スピード感のある頭脳戦に目を見張りました。
<br />そして、死神より人間の方が恐ろしいというのがミソ。
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Lに屈辱を味わされた直後に主人公とも思えぬ邪悪な笑顔を浮かべる夜神月。
<br />これまでも冷酷な表情を浮かべた事は幾度もありましたが、それに傲慢を加えた
<br />俗に言われる「エビルスマイル」が、この巻で固まり以後、定着していきます。
<br />1話から読み直してみると、初々しい表情で彼なりに良い世界を創ろうとしていた月が
<br />「神になるための邪魔者を排除する」という考えに囚われ道を誤っていくのが解り、
<br />それをここまで強烈に絵で見せることができる小畑氏の画力はさすがです。
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<br />「権力は人の精神を腐らせる最悪の毒」かの銀河英雄伝説における名言ですが
<br />既存の国家権力すら超えるデスノートの力に魅せられて人格が歪んでいく月。
<br />「そんな力を持ってしまったのは不幸」という父の言葉を否定する月ですが
<br />ヨツバ編における彼自身の言動を考えると、やはり不幸だったという事でしょう。
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<br />でもエビルスマイルは7巻辺りでピークに達していて、そこで終わりにして欲しかった…。
<br />劇場版より細かい指示をミサに出している月ですがLが警察の指揮系統から外れている
<br />ウエディにミサの監視・尾行を継続させていたら同様の結末に持っていけてますし。
<br />(すみません、これは愚痴です)
Lがライトと同じ大学に入学したことにより、互いの距離がぐんと近づきます。いわば直接的な心理戦の始まりで、天才であり負けず嫌いの2人が駆け引きを重ねる様子は見ものです。
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<br />第二のキラも現れ、次の巻が楽しみです。