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DEATH NOTE (4) ( 大場 つぐみ 小畑 健 )

ライトに接近していく第2のキラ。 <br />2人が接点を持ったことと、自らの身の危険に気づき始めるL。 <br />そして、自分がキラかもしれないとLに告げるライト。 <br />この巻でのライトの行動の意味は7巻で明らかになり、そのことから、作者がいきあたりばったりでストーリーを考えているわけではないことがよくわかります。 <br />他の方が指摘されていたように、片手間ではなかなか読めない、深い作品だと思います。 <br /> <br />

キラ対Lという二極対立の図式に、ミサという異分子が入り込んでくるという図式は、ストーリーが重層的になり非常に読み応えがあるものです(ミサは形式上は月の仲間ではあるが月がそれを歓迎していない上にレムに殺されてしまう危険があるのだからやっぱりミサを異分子といった方がいいでしょう)。 <br />ジェラスの寓話的エピソードもすばらしいものがあります。こういうのは大好きです。また、(ゆがんでいるにしても)ミサの月に対する情熱も胸に来るものがあります。 <br />しかし、こういった「感情に訴えかける」ようなシーンがあるのはこの巻までです。あとはもうもっぱら左脳はフル回転しているが右脳は全然使ってないみたいなストーリー展開が続くことになります。登場人物の内面に入りこむことができなくなっていきます。要するにつまらなくなっていきます。 <br />

月=キラとLの壮絶な心理戦は互角ゆえに互いの手の内がある程度、読めてしまい <br />将棋の千日手のごとく手詰まりの膠着状態に陥る所で「第二のキラ」ことミサが登場。 <br />SFやオカルトを盛り込んだサスペンスで序盤で対立していた二者に第三者が絡む <br />というのは割りと王道らしく(篠原千絵著「闇のパープルアイ」「海の闇 月の影」等) <br />この新勢力は超常的設定に対する知識も深く、それにより物語が新たな局面を迎えるのもお約束。 <br />ここでミサが二巻に登場した南空ナオミのように行動力に聡明さを兼ね備えていれば <br />月やLを凌いでストーリー展開の主導権を握ってしまうのだろうが、むしろ逆。 <br />Lの本名が分らない月とキラの殺害方法を立証できないL、決め手を欠いていた双方に <br />知識と能力はあっても知恵は足りないミサ嬢は、諸刃の剣となってしまう。 <br />結局、当初は自分が一番有利と踏んでいた月は彼女の行動に振り回されて <br />今までに比べると場当たり的な対応に終始して、いよいよLに追い詰められてしまう。 <br />ここで死神達までも巻き込んで乾坤一擲の作戦に打ってでるのだが…。 <br />名人同士の手に汗握る攻防が素人に引っ掻き回される形になるので人によっては不満 <br />が出てくるかも知れないが決着にむけて最終局面に動き出したことを考えれば納得。 <br />(死神の目等は一巻から言われてきた事だし「第二のキラ」自体は <br /> 単なる引き伸ばしではなく初期構想からあったものと考えられます) <br /> <br />しかし本当に物語を、そこまでで纏めて欲しかったという感じがします。 <br />ミサの告白に平然としている夜神月がLの友達宣言に思わず表情が緩むのが面白い。 <br />彼のようなタイプにとって宿敵との知略戦に比べれば女性との恋愛など退屈なだけだろう。 <br />「ジョジョの奇妙な冒険」第一部のごとく、仇敵との奇妙な友情を軸として <br />それを幕引きに上手く絡めて完結してくれれば良かったのですが…。 <br />この時点では一応、星5つです。

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