夢を見る彼女は‥「いじめ」に遭っているんですね。子供の頃、体質的異常で仲間外れにされ、そんな時守ってくれる筈の家族とさえ引き離されてしまって。ある日の悪夢の後、罪も無い彼女が世界中から「いじめ」を受けました。辛くて‥苦しくて‥なのに誰一人助けてはくれない。逃げたくて走り続けた。涙目に映る者全てが鬼の様な、真っ暗で広すぎる世界を、最悪の世界を走り続けた。遠すぎる暗闇のさき‥たどり着いていたある島で、彼女は夢もろとも力尽きた‥もはや生きる事はすまい‥筈だった。しかし彼女の夢は、まだ生きていた。助けてくれる人達が居てくれたから。 やっと、出逢えたから。本当の笑顔をわかちあえる仲間‥しかし次は彼等までもを「いじめ」ると言われた。自分と連れ合って居る限り。大切な彼等が傷付くのは、絶対に嫌‥彼女は仲間を嫌うふりをし、また独りで逃げ出した。だが、真実を知った仲間達は決して彼女を独りにはさせない。俺たちが今助けるから、一緒に行こう!あとは彼女の心ひとつ、閉じ込めていた本当の気持ち。怖い、けれど勇気を振り絞って、生きる決意を誓った。尾田先生は「いじめ」という今の子供達にとって非常に重い問題を、本作で取り上げたんだと思う。私はいじめに遭った事が無いから、気持ちが分かった風な事は言わない。尾田先生も多分そうだろう。けど、実際いじめで苦しんでいる子がこの作品に出会い、ロビンの仲間達を信じて強く生きようとする姿に勇気付けられるとしたら、それは貴ぶべきだろう。絵を描く仕事をする人が人を感動させたいと願うのは自然な事だとおもいますし。人によれば解らないかも知れないですが、そういう意味で尾田先生の漫画に対する姿勢を賛辞しています。
私は人それぞれ人生のありかたや進み方はまったく違うと感じる。ロビンの過去の話などを見て感動する奴は「人生経験が浅い」なんて言う方もいるようですがむしろ私は感動しない人間にはなりたくないです。人生に深いも浅いもないと思う。誰もが重い悩みを抱えて生きています。わざわざ口に出さないだけ。そんなに甘い!と言う方は昔から強かったのでしょうか?弱かった自分を忘れていませんか?純粋な気持ちで読む事ができないのでしょうか?私は純粋に読み涙しました。そしてルフィの「望むところだぁ!」「生きたいと言え!」の強引なセリフながらも一気に涙しました。
尾田さんはストーリーを掘り下げる力と、絶妙なギャグのセンスを併せ持った稀有な少年漫画家さんだと思います。
<br />ストーリー展開については編集者がついているからなのかもしれませんが。。。
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<br />ここにきて重過ぎる・冗長すぎる・昔の方が面白かったという意見がたくさんありますが、正直前後巻で延々続くバトルシーンよりも、ロビンやフランキーの過去の話の方がずっと読んでいて楽しいです。
<br />歴史の話がここで出てきたり、登場人物の過去を少年漫画としては異常なまでに掘り下げるのは、「るろうに剣心」の和月さんのアシスタントを、尾田さんがやっていた影響なのではないかと推察されます。
<br />あくまで少年ジャンプの目玉連載作品としては、他のレビュアーさんの言う「ドラゴンボール化」についてはさけられなかったのではないかと。
<br />主要な同情人物が誰一人死なないのも少年漫画だから。
<br />それよりも私は、少年漫画という制約条件の多いメディアにおいて、ここまでストーリーとギャグを兼ね揃えたこの作品が、読者の人気に支えられ、四十巻以上も続いたという事実を評価したいと思います。
<br />ストーリー展開からすれば、ニコ・ロビンの過去はルフィ一味を物語のクライマックスへと運ぶための必要だったのでしょう。
<br />どこかで作者さん自身も書いていましたが、すでにストーリーは終わりまでできあがっていて、今は佳境とのこと。。
<br />最後まで物語が終わった時に、41巻は欠かせなかったという結論になるのではないかと私は考えています。
<br />この先どのように終わるのか、楽しみです。