話題になったこのドリルをわたしも娘に買い与えた。
<br />娘は小学校6年。まさに受験直前だ。
<br />大手進学塾へ通いながら、塾の宿題と塾での順位を気にしながら
<br />息を詰まらせるような生活の中、彼女が小5のときにこのドリルを
<br />やらせた。
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<br />でも、計算が上達するどころか、ドリルを持ち出すだけで
<br />うんざりするようになり、今では計算は苦手だと思い込んでいる。
<br />その気もちが逆効果を生んで、計算ミスをしてしまう有様だ。
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<br />ドリルはわたしたち親の世代もよくやらされた記憶があるが
<br />子どものやる気をなえさせるようなことになっては逆効果だ。
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<br />いくら話題になったとしても、わが子をきちんと見て、わが子が
<br />前向きになるものを与えられる親の知識がこれからは必要に
<br />なるのだと思う。
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<br />下の娘にはドリルではなく、好奇心や興味を刺激する方法を
<br />取り入れ、短時間の集中の中でドリルをやってみようと思う。
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<br />こう考えると、上の子、初めての子はかわいそうだと思う。
百マス自体は、すでに数十年前の昔々に開発された指導法。二十数年前に初版の「見える学力見えない学力(岸本裕史著)」で紹介されていることや、それ以前にも発表されていることからも明らかで、陰山さんが発明したかのように思われていますがそれは大きな間違い。<p> わざわざ蒸し返して出版するからにはなにか新しさがあるのかと思いきや、結局昔と同じでした。ここまで流行らせた出版社の宣伝力もたいしたものです。そのせいで買った私も情けない。<p> やり方が単純明快なので、一時流行ってやった先生はいましたが、今も実際に続けている人はあまり見かけません。たまぁに居ます。やってみればわかりますが、無理があります。子ども、特に本当に力をつけたい子は早々と拒否します。算数が苦手な子ができるようになることには、大きな期待を持たないことが大切。これだけで力をつけようとは陰山さんも言ってませんが、特効薬みたいに信じている人がいるのが難点。モノめずらしいのでとか、保護者がちょっと家でやってみるなら問題無し(ただし嫌がるならすぐやめるのが賢明)。
3人の子どもたちが百ます計算を始めて一月が過ぎました。それぞれ学年が違いますが、一緒に計算しています。<br>スピード、正解率とも上の子が一番ですが、一番下の子も結構がんばって成績もずいぶん接近してきました。<br>私が一番驚いたのは、計算しているときの子どもたちの顔つきの変化でした。最初はイヤイヤやっているといった表情をしたり、うまく計算できなくて泣きそうな顔をしたりしていました。<br>それが今はごく自然な顔つきで、計算をしています。淡々と計算をこなしている、といった感じです。それだけ自信がついてきたのだと思います。当然正解率、スピードともに向上しています。<br>ただ、前のほうの方が指摘されていましたが、これだけで算数、数学の問題が解けるわけではありません。やはりそれらの学習が必要となりますが、理解する力はついてくれていると思います。<br>ですから百ます計算はあくまでも基礎計算力の強化と考えるべきだと思います。ただし、これがもたらす効果は絶大なものがあると思っています。