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| 花々のゆううつ
(
波津 彬子
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『月の出をまって』『中国(チャイナ)の鳥』『空中楼閣の住人』に続く【うるわしの英国シリーズ】第4巻。今回は、あのおやじ猫・ヴィルヘルムがあちこちで活躍しています。主人のコーネリアスと一緒にカバーの絵にも出て、「おいらがコーネリアスの主人さ」てな顔をしてますな(笑)
<br /> 淑女が着ている服だとか、馬車だとか、館に出る幽霊だとか、交霊会だとか、世紀末から20世紀に向かう英国のそういう諸々の雰囲気がいいんだなあ。最後に置かれた「Under the Rose」の話など、ここにシャーロック・ホームズとワトスンが出てきてもちっともおかしくないぞって思った。この時代の大英帝国の雰囲気がよく出ていて、そんなところもこのシリーズで気に入っているところです。
<br /> 「花々のゆううつ」「ヴィルヘルム・某日 秘密の温室」「レディ・ダルリンプルの呪い」「ヴィルヘルム・某日 招かれざる客」「5番目のコーネリアス」「ヴィルヘルム・某日 空想科学猫(キャット)」「お決まりの結末」「Under the Rose」を収めた本。心霊現象を研究しているアシュリー教授と息子のノーマン・アシュリーのふたりが、なかなか魅力的なキャラで印象に残りました。
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