うわー凄いぃ〜、おもしろいぃ〜、一気に読んでしまったぁ〜。
<br />まずはとにかく読むべき。
<br />どこから見ているのか、わからなくなるような構図。
<br />望遠鏡か魚眼レンズかなにかで覗くような宝町の世界。シロとクロ
<br />こんなに魅力的なキャラと世界観と絵に
<br />ぐいぐい引き込まれる。
<br />シロとクロの世界を体感しながらオトナになれるファンタジー
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<br />単純なストーリーだけれど、もの凄く読み込み甲斐がある。
<br />バランス → ニューパワー → アンバランス → バランス、
<br />単純と混沌、虚偽と真実、夢と現実、子供と大人、善と悪、幸福と不幸、静と動、生と死、有と無、不法と規律、自然と開発、田舎と都会
<br />そんなイロイロなバランスが、
<br />栄養たっぷりに盛り込まれて、
<br />アタマが良くなりそうだ。
映画化されたのを知って久しぶりに再読。
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<br />義理と人情。そしてヤクザが支配する街「宝町」。そこを“棲みか”にする二人の少年シロとクロ。日本であって日本でない雰囲気をもつ街を“棲みか”にする、人間だけど人間でない能力(やっぱり空を飛ぶのは人間には無理だよな…)を持つ二人の少年を描いたこの作品を、当時はシロとクロ、ネズミと沢田等の人間の対比(裏表の対比と言ったらいいのだろうか)の物語として読んでいた。
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<br />しかし、今回、「映画化された」ということを気にしながら読んでみると、そればかりではなく、「宝町」そのものも、地面からの視点で描かれたごちゃごちゃとした雑踏と、ビルの上や塔から見下ろす街の俯瞰図の対比で描かれていることに今更ながら気付いた。マンガ自体が映画的なつくりだったのか…。
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<br />「宝町」も含めて描かれているもの全てが主人公。リアルであってリアルでない。非現実的はあるが現実的。スピード感が溢れている一方で時間がゆっくりと流れているようでもある。暴力渦巻く大人のおとぎ話のようだ。
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<br />絵柄も含めて好き嫌いがわかれるマンガ家だと思うが、なにを描いても、松本大洋のマンガとしかいえない世界観。やはり貴重だと思う。
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「俺にはコミック雑誌なんていらない」と思っている方や、これから漫画を読み始める方は必読。1巻ですが、全巻読破をおすすめします。
<br />全巻通しての見所は、表現手法の多さです。
<br />ストーリーのみでなく、擬音の形、動きの描写、演劇の台本のようなセリフなどの表現方法に注目すると、とても参考になる漫画だと思います。