手塚治虫という偉大な漫画家の重圧に耐え、
<br />新しい解釈を施せる作家の中の一人。
<br />それが浦沢直樹である。
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<br />人種差別を投影したロボット差別問題をテーマとする世界、、
<br />ひとつのページごとの密度はとても濃く感じる。
日本人なら誰でも知っているであろう手塚治虫氏の漫画「鉄腕アトム」の「地上最大のロボット」という物語を原作に、そこで登場するドイツのロボット刑事「ゲジヒト」を主人公に描いた漫画である。
<br />原作は読んでない(昔読んだかも知れないが覚えていない)が、PLUTOの完結を読んだ後には、原作も読み返してみたいと感じた。
<br />アトム、主人公のゲジヒトを含めて、7体の世界最高峰のロボットが存在し、物語の展開と関係してくるようである。1巻ではそのうちの5体が登場した。残る2体の登場が楽しみである。
漫画を原作に漫画を描くとは誠に大胆な挑戦である。しかも相手はあの手塚治虫である。ブラックジャックに何人かの漫画家が挑戦した例はあったが大失敗している。しかしながら実際に読んでみるとそんな心配は全く持って払拭された。ストーリーとしては見事に原作を昇華していると思う。