自ら核兵器を所持しているにも拘わらず、新たに他の国が核兵器(大量破壊兵器)を持つことを禁止する...アメリカ合衆国とイラクの間で2003年に行われたイラク戦争をヒントに、ストーリーを展開している。
<br />そして、2巻では新たな世界最高峰ロボット1対とウランが登場した。
二巻では、物語の黒幕と思えるトラキア合衆国のアレクサンダー大統領と、そのブレーンのDrルーズベルトが登場する。アレクサンダー大統領は、ペルシア王国を攻撃したが、これはアメリカのイラク攻撃とそっくりである。ただ違うのは、現実ではアメリカがダントツの軍事大国であるが、この作品ではトラキアは大量破壊ロボットを持っていないことである。
「人を殺す完璧さ」は、明らかにアトムの別作品に出てくる
<br />悪の心を発生する装置「オメガ因子」が下敷きになっています。
<br />善悪両方の心を備えてこそ、完璧なロボットだという。
<br />Plutoはブラック・ジャックはじめ多くの手塚作品を踏まえた描き方で、
<br />子供のころから手塚作品に触れてきた身としてはニヤリとさせられます。
<br />あと、お茶の水博士はどう見ても手塚治虫ですね(笑
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<br />同胞たちを「いっぱい」破壊したモンブランが戦争に疑問を持つ逸話は、
<br />この作品の「戦うことの意味」というテーマを象徴しています。
<br />1巻でノース2号が「もう戦いたくない」と語るのと似ています。
<br />そして、戦地に赴くアトムの映像。確かに違和感はあるのですが、
<br />大量破壊兵器としての能力を持つという設定だけに、
<br />こうした泥臭さがかえってリアリティーを与えている気がします。