星野道夫作品の魅力は、その美しい写真だけでなく、人生を肯定的に捉える彼の人生観、
<br />そのバイタリティ、そして何より彼を取りまく素晴らしい仲間達にあると思います。
<br />小さな本ですが、この本はそんな彼の世界が凝縮されている一冊です。
<br />少年時代に、アラスカに焦がれて極北の村に手紙を出し、身一つで飛び込んだ話は、いつも胸が熱くなります。
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命を持つものはいずれ死んでいくけど、死は終わりでなく次の世代に引き継がれていく。<br>私たちは、永遠に時の旅を続ける。時は流れ常に変化していく。変わりゆくアラスカの大地、動物たち、人間たち。そんな一瞬、一瞬をありのままに受け入れ、写真やエッセイを通して星野道夫が語り掛けてきす。
読み終えるのがもったいない。<p>そのように強く感じた本でした。この本は星野さんが撮られた数々のお写真とエッセイで綴られていますが、読むはじめるとすぐに、何とも言えない清々しさに満たされます。星野さんが出会う大自然、動物たち、人々。極北の地アラスカで星野さんは、それらに関わり、それらの素晴らしさについて語ります。アラスカに行ったことのない私にさえ、その空気が伝わってくるようで何て素晴らしいところなんだろう・・・と感激します。しかし読み終えるころには、これらの素晴らしい経験は、きっと星野さんだからこそ得られたものかもしれないと気づきます。つまり彼の熱意、大変な努力、偏らないものの見方・・が私を感動させてくれたのだと。励まされる一冊でもありました。