とにかく、これは素敵な本です。
<br />読んでいると、「ほぅほぅ!」とニンマリしてしまう内容が満載。プロフェッショナルユースにも、個人レベルの楽しみにも、ともに耐えうる内容だと思います。
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<br />辞書形式なので、使い勝手も完璧。枕元に置いて、寝る前にニンマリするもよし、「24」や「ER」、「ダーマ&グレッグ」等の海外ドラマを、この本片手に副音声で観るもよし、洋画の字幕について、マニアックに“ひとくせ”つけるも良し・・・。
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<br />英語に少しでも興味がある方は、Thesaurusと共に必携だと思います!
<br /> 私はアメリカのテレビドラマを見るのが好きで、現在も「CSI」「LOST」「Without A Trace」「The West Wing」などのシリーズを、英語の学習も兼ねて欠かさず見ています。しかしこうしたドラマは大変に凝った台詞まわしがふんだんに登場するので、言っていることを100%理解するというわけにはなかなかいきません。
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<br /> 「CSI」を例にとるならば、鑑識チームの主任グリッソムは箴言や諺ばかりでなく、シェークスピアや孫子など古今東西の書物からの引用をひっきりなしに口にします。「Cleanliness is next to Godliness.」(清潔は敬虔に通じる)とか「A horse! A horse! My kingdom for a horse!」(リチャード三世からの引用)といった英語表現は彼を通して私は学びました。
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<br /> 本書は、題名通り「アメリカ人ならだれでも知っている英語フレーズ」を4000も集めた500頁強の本です。上に例として掲げた表現ももちろん載っています。さらに言えば、こうした凝った文学表現ばかりでなく、何気ない日常で普通に耳にする次のような表現も満載です。
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<br />I’m on the clock. 勤務時間中です。
<br />Where is the fire? そんなに急いでどこへ行くんだい?(スピード違反の運転手をつかまえた警察官の決まり文句)
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<br /> こうした成句を構成する個々の単語はもちろん何の変哲もないものですが、成句になると一種独特の意味を持つのです。そこに、私は言葉の奥深さを感じさせられます。ですから4000という掲載数の多さに圧倒されるよりもなによりも、ただひたすら読み続けるだけでも十分楽しい書物でした。
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<br /> なお類書に次のものがあります。
<br /> ベティ・カークパトリック「英語クリーシェ辞典」(研究社出版)
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山田はオンライン検索しても,基本属性(生年,出身地,学職歴,職業)は不明。翻訳家との印象を受けている。ただし,ハーリー『コンピュータが子供の心を変える』を共訳するなど,注目すべき訳書が多い。Thayneは皆さんご存知(?)のセイン・カミュとは別人。「1959年生まれ。米国出身。カリフォルニア州アズサパシフィック大学で社会学修士号取得。日米会話学院、バベル翻訳外語学院などでの豊富な教授経験を活かし、数多くの英会話関係書籍を執筆。ただし,この人は少し仕事が雑です。『ビジネス版 これが英語で言えますか』を読んだが,職人としてよりもプロデューサーとしての才覚の方が優っている。
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<br />通常なら,この種の例文は,標準的な場合は,辞書をひけば掲載されているようなものか,そうでなければ,(学術上不適切なために)辞書には決して載せられないようなものが多いが,山田詩津夫の英語知識がサブカル分野(「アメリカ」のテレビ番組などの流行語など)も含めて,きわめて誠実であることが本書を類書とは異彩を放つ作品としている。