【全体】<br>例えば「過失」を引く。<br>すると「落ち度、粗相、不手際、過誤、手違い」が、<br>「過失」の関連語として掲載されている。<br>これらの語に共通する意味があるのはもちろん、<br>「落ち度」、「粗相」、「不手際」等、<br>それぞれの意味と使い分けも書かれている。<p>用例として、「○○による事故」の○○に、<br>「過失」はふさわしいのか、「落ち度」はふさわしいのか、<br>といったマトリックス表まで用意されている。<p>論文やレポートを書くときに、<br>相応しい言葉を使っているのか、もっと相応しい言葉があるのではないか。<br>そんな疑問を感じたときに引いてみると良いと思う。<br>文字を書くことが多い人は、是非、座右に置いて欲しい1冊。<p>【裏技?】<br>安全標語や俳句などを作るときにも重宝しますよ!<br>「○○」を別の言い方では・・・、という時ネ。<br>ちなみに、「安全」を同書で調べると、関連語を含めて8例書かれています。<br>「安全」という言葉を別の言い方で8例言えますか?<br>私はこの辞書がないと考えつかないです。<br>(私の持っているのは1997年2月10日第一版四刷発行です)
仕事で起案書やレポートを書くことが多いので,辞書・辞典を多く身近に置いているのですが,言葉の使い分けを知りたいと思うことが頻繁に発生します。<br> そんなとき,この類語辞典は便利です。本書の帯広告には「言葉の使い方,使い分けに重点を置いた唯一の類語辞典」と書かれています。まさにそのとおりで,文書作成時に,どちらの言葉を使ったほうがよりよいのかと疑問が浮かんだときには,本書は力強い,頼れる相棒になります。私にとって,手元に置いている辞典の中ではベスト3に入るありがたい書籍です。<br> 書名に英語で Dictionary Of Synonyms in Japanese とあり,DOSJ と洒落ていますが,これは,英英辞典の OECD 等の通称を真似た表記だと思いますが,編集者の心意気の表れなのでしょうね。
語句の基本的意味や、うろ覚えの言葉、似ている言葉の違いを確認するためにとても役に立つ辞書です。「はじめに」にあるように、日本人だけではなく、外国人の日本語学習者を意識して編纂されているようです。英訳付きですし。使ってみて、似た語句の微妙な違いが気になってくる日本語上級学習者に適した辞書だという印象を持ちました。語句の説明がわかりやすいので、この辞書を使う目的が、言葉の基本的な意味のおさらいなら五つ星です。しかし、文章にこだわりのある人がもっと語彙を増やしたいという目的で使うなら、この辞書の語彙では物足りないかもしれません。