前巻のほうは読んだのですが・・・。
<br />結局、日本って欧米で人気なものは、日本でも人気にしようっていう
<br />魂胆の世界なんだと思います。村上春樹さんは欧米のほうで人気があると
<br />報道番組で何度か拝見しました。
<br />この本についても、そこまで何がいいとか【個人的には】思えないのですが、
<br />書店では、ランク内に入ってるとか、「今話題の」〜とか特別推奨されすぎて
<br />疑問なんですよね。これも洗脳のひとつだと思いますけど
<br />本当に自ら村上氏の本を選んで、好きだ、と言う人が大勢、本当にいるのか疑問です。
<br />欧米派の村上さんは欧米で人気があればそれでいいんじゃないでしょうか。
<br />(ビートたけしさんの映画みたいに。)無理に日本でも進めるような風潮はしないでほしいです。
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カフカくんがとっつきにくいキャラだったけど、他の登場人物は個性豊かでおもしろかった(特に星野青年!<br /><br />村上春樹の小説は結末が曖昧で印象に残らないことが多いのだけれど、笑うことを思い出した主人公が東京に戻るラストは、希望に満ちていて、まぁよかったと思う。<br /><br />内容自体を深く考えると大変なので、文章の言い回しで"海辺のカフカ"を楽しむようにしている。<br />でもやっぱり村上さんの"努力をしない、変えられない運命論"は好きになれない…しかも人が死にすぎだし、異常な性描写や残酷な場面が多すぎだと思う。
面白い,面白い,と思っているうちに読み終わってます。
<br />「世界一タフな15歳になる」と言って家出(現実逃避)した少年が
<br />タフになる過程を描いたもの,
<br />と言えば単純に見えますが,幾層にも重なるメタファーの全てを理解し,
<br />物語を自分なりに収束させることは,かなり難しいと思います。
<br />作者は,「不思議」な話にいちいち謎解きをしてくれず
<br />わざと,あちこちを収束させないまま話を終わらせています。
<br />このような「抽象画」的な話が好きな方には良いかもしれません。
<br />私は,ひたすら迷路に迷い込んだようで,
<br />読後,収束点を見つけようとしてしばらくボーッとしてしまいました。
<br />(そして今でも分からない。)
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<br />この物語は,話の1つ1つがメタファーなだけでなく,
<br />登場人物もメタファーです。
<br />猫と話ができるナカタさんは,現実世界と非現実なアナザーワールドの境界の役割を果たす
<br />「入口」そのものだと思います。
<br />夢遊病者のようなサエキさんは,アナザーワールドに心を置いてきてしまった人なのでしょう。
<br />サエキさんみたいな不思議な魅力をたたえた中年女性って,村上春樹さんはお好きなのでしょうか。
<br />ノルウェイの森にも,似た感じの女性が出てきたように思います。
<br />私は,現実とちゃんと向き合って生きているオオシマさんやホシノさんが好きでした。
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