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| 華麗なる一族〈下〉
(
山崎 豊子
)
経営者としての価値観の持ち方、銀行と事業会社の処し方、危機管理の在り方など、描かれているドラマは、今日でも色褪せない。白い巨塔と同様に、是非再度ドラマ化してほしい。 銀行再編に絡む暗躍が主題の小説ですが、
<br />同時に「父と息子の相克の物語」でもあります。
<br />妻妾同居、子供らの政略結婚、そして息子の出生に関する強い疑惑。
<br />やがてそれは近親憎悪となり、主人公は自分の野望と息子への復讐を
<br />兼ねて、非情な罠を仕掛け、
<br />目的を達成すると同時に息子を破滅へと追いやります。
<br />主人公は冷徹であり、読者の共感を得にくい人物です。
<br />それでも彼の心の闇と金融業界の内幕が綿密に描かれており、ラストまでひきつけられました。 冷徹な銀行家と、理想家の息子
<br /> 理想だけを追い求めてしまった技術屋タイプの長男の哀れな末路。
<br /> 経営にうとい技術屋タイプの経営者では、しょせん荒波はのりこえられないのだ。
<br /> そしてその技術屋に乗ってしまった日銀OB頭取も・・・
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