ここまで日本社会が腐っているのかとまざまざみせつけられたことはない。
<br />この話ははるか昔のことだが、いまだに同じようなことが行われていて、
<br />特殊法人を民営化するのに断固として反対する族議員や、
<br />公共事業の利権をむさぼる政治家・官僚・企業の実態をみるにつけ、
<br />ほんと日本はどうしようもない腐敗に満ちた社会なのだということを、絶望的に思い知らされる。
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<br />ただ最後に社員の告発によって、その腐敗の一端が暴かれるものの、
<br />それを突き詰めていくと、前総理大臣の金稼ぎにまで及んでしまうことを考えると、
<br />捜査が進んだところで、いかようにも圧力をかけ、腐敗を闇に葬ってしまうことができることを考えると、
<br />日本社会に正義はないのかとまたも絶望感を覚える。
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<br />この本を政治家・官僚・企業は読んで悔い改めるべきだと思う。
実際、一度友人に借りて感動し、
<br />どうしても自分の本棚に仕舞っておきたくなった書籍です。
<br />全5巻を2回通り読んだことになります。
<br />5巻で一つの物語である為、
<br />各巻ごとの評価、というものは出来ません。
<br />ノンフィクションであることで疑いなく沁み込んでくる内容。
<br />疑いはないが信じられない現実が1ページごとに紐解かれていきます。
<br />傑作です。
堂本社長の退任後、荒れはれた国民航空が露呈したいま、後任者の人選は難航していた。そんな中、白羽の矢が立ったのは関西紡績の国見会長であった。国見会長は固辞したものの「2度目の招集」と思い、引き受けることに。
<br /> まずは、「空の安全」を確立すべく、分裂していた労働組合の統合を図る。しかし、労務に明るい国見会長が閉口するほど、労働組合の分裂はこじれていた。そのため、会長の手足として働くべく会長室が創設され、国民航空労組の前委員長である恩地が抜擢される。そして、恩地がみたものは金、利権にうごめく会社上層部たちの姿であった。
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