カエサルの『ルビコン渡河』がなぜ世界史を変えた第一歩だったのかが手にとるように分かります。
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<br />著者の言葉を私流に置きかえるならば、『人間には3種類のタイプがいる。一つは、考えてから行動する人。二つ目は、行動してから考える人。最後は、それを同時に出来る人。』本書を読むと、カエサルのタイプは最後の種類なのだとよく分かります。
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<br />2,000年後の現代にもいない不世出の創造的天才。ギリシアのペリクレス、マケドニアのアレクサンダーよりもはるかに上を行く天才の能力がいよいよ発揮されます。
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<br />そして本書ではそれを抑揚感タップリに描いています。
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「駿馬老いて駄馬となる」を地でいくポンペイウスと「心身共に絶頂期」のカエサルの闘争決着。今回の見所はお互いの陣営地を中心に展開される古代の要塞VS要塞ともいえるドゥラキム攻防戦。ポンペイウスが人生最後の輝きを放つこの戦い。これまで知らなかっただけに新鮮味があり一番の見所でした。
元老院最後通告をうけたカエサル。そして戦いに。
<br />著者の文面もヒートアップしていきます(笑)
<br />歴史書というよりは物語としても楽しめるので、ある意味前巻のルビコン以前と今回のルビコン以後だけを読んでもある程度楽しめる内容にまとまってはいるかとおもいます。