この本の単行本が出版されたのが2000年9月、この年には「ローマ人の物語」シリーズが某イタリアに多大の某かを与えたとかいうことで、著者に"イタリア共和国功労勲章"が授けられている。 その前年1999年には司馬遼太郎賞がこれまた授けられている。 そのせいかどうか、知らんけんど、本書「賢帝の世紀」は、これまでとは文章が異なっている、格調高くなっている、読みやすくなっている、当初のようにブツブツ切れる句点・読点が少なくなり、日本語として、すらすらすんなり読めるようになった。 このシリーズ本が売れたおかげで、日本で講演等をしたり、前述のようないろんな賞を取ったりした事もあって、余り変な日本語は書けないワ、恥ずかしいワッ!という事かも知れぬ。 これで漸く、キチンとした日本語として、当シリーズを読めるようになった。 本の内容?それは読んでのお楽しみ、ということにしておこう。 新潮社のホームページに識者の感想が載っているが、これも面白い。 作者直々の「お詫び」の文章もあったりして、楽しめるったら楽しめる。♪♪
ローマ帝国が最大版図を誇り、最盛期を迎えたと言われる五賢帝時代。
<br />中でも「至高の皇帝」と言われたトライヤヌスの治世にスポットをあてる。
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<br />トライヤヌスの統治能力の高さと、猛烈な仕事ぶりが余すところなく語られ、ぐいぐいと引き込まれる。
<br />相当の力がないとこれだけの広さの帝国を統治できない、という職務の大変さにも驚き、
<br />またそれをやり遂げたトライヤヌスの力量にも感嘆するしかない。
<br />とにかく、凄い。
<br />働いて働いて働いて働きまくっている。
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<br />とかくキリスト教側から、悪意を持って語られることの多かったローマ帝国と皇帝たち。
<br />キリスト教のフィルターを通さない本書によって、
<br />ローマ皇帝の真の偉大さが見えてくる。