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| ローマ人の物語〈28〉すべての道はローマに通ず〈下〉
(
塩野 七生
)
塩野七生が ローマのインフラに挑戦している「すべての道はローマに通ず」の後編。前編がローマ街道に焦点を当てたが この後編は ローマ水道と ローマの医療・教育に焦点を当てている。
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<br /> 医療教育も興味深いが やはりローマ水道関係が白眉である。これはローマ街道も同じだが要は 実物が21世紀の現代にまで 残っているという点が 圧倒的である。文庫本としては大変贅沢なカラー写真を満載した本書を読んでいると ローマの偉大さが ビジュアルに迫ってくる。
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<br /> 塩野の凄みは「ローマの水道の素晴らしさ」では無く 「ローマの水道を造り上げたローマ人の精神」に話を収斂している点にある。「インフラ」という言い方を塩野はしているわけだが「水道が社会に齎す重要性」を正確に理解出来るような ローマ人の「精神」が ローマ帝国をかように長大なる版図足りえたかという点が実に分かる。塩野が ここで語っているのは 政治というものが いかにインフラを考えることで社会の安定と発展につなげるかという点であるのだ。
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<br /> その上で 塩野がさりげなく指摘している点は 現代の世界においても 2000年前のローマ帝国よりも 社会的インフラが不足している国がいくらでもあることである。これは良く考えなくても驚くべき事だ。
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<br /> 「ローマ人の物語」の連作は 真に「政治がなすべき使命」という点で誠に得がたい一巻となっている気がする。
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