西岡の言葉で、鉋は木の細胞を切り刻まないので、電動鉋のように
<br />ガサガサしないと。力任せではない技を感じる。木は育った場所に使
<br />うと。東側で育った木と北側で育った木は違うのは見当がつくが、建
<br />物でも、場所によって使い分けなければ、くるいがでてくると言う。
<br /> ここまでこだわる西岡の話を、そのまま話し言葉で綴ってあるので
<br />たいへん読み応えがある。ただ、小川や塩野の文章はもうひとつであ
<br />った。まあ、西岡にはかなわないのは当たり前だろうが。
<br />で、厚みの分が、この二人の文、星ひとつ落とした。
ついにまとまったか!という感じです。皆さんが書かれているように、最後の法隆寺宮大工棟梁 西岡常一氏の独特な口調の数々を収めた『天』そして、西岡さんのたった一人の弟子『小川三夫氏』の食える宮大工の集団、結成の話。『地』そして、小川氏の下に集まる宮大工の卵達へのインタビュー『人』 これ一冊で、大満足! よく作ってくれました!というべき本です!
法隆寺最後の宮大工西岡常一とその弟子小川三夫、そしてそのお弟子さんたちのことばを伝えたのが本書。<br>えてして説教臭くなるところをぐっと抑えて、若い人たちへのメッセージにしたところが好感が持てると思います。<br>単なる技術論ではなく、長い経験に裏打ちされた職人論・自然論・教育論になっていると思います。