世界で活躍する指揮者、小沢征爾さんの若かりしころのヨーロッパへの旅の記録。小澤さんの指揮するオーケストラの演奏は聴いたことはちゃんと無いけど名前くらいは知ってるという人も多いでしょう。かく言う私もそんなかんじです。
<br />この本に出てくる小澤さんの野心家っぷり、家族への愛情の大きさにおもわず微笑んでしまう自分がいました。音楽の勉強をしにきたといっても、いきあたりばったりばかり。ギターかかえて歌うたいながらスクーターで駆けていく小澤さんは少年のよう。「自分の好きなことをやればいい。」そんなことを教えてくれます。クラシックに興味の無い人にもおすすめ!
今は「世界のオザワ」と呼ばれる指揮者、小澤征爾の若い頃のお話です。
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<br />ここで小澤は単身渡欧して(なんと貨物船に乗って!しかもヨーロッパはバイクで移動していた)、ブザンソンの指揮者コンクールを受け見事優勝するのです!
<br />いやぁ、痛快!
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<br />この本に出会ったのは高校1年の時(おおう!一回り以上前だ)ですが、今だにこの数ページはひりつくような鋭い感覚を私の身体に走らせます。
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<br />そんな感覚を呼び覚ましてくれる本なんて、やっぱり一生の間に出会う数は少ないかもしれません。
<br />貴重な一冊。
<br />みなさんもそういう本や映画、音楽がありますよね?
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まだ数々のコンクールの栄冠を得る前の24−26歳のころの小沢征爾について、彼自身が語った回顧録。バイク旅行をするつもりで超軽装備で日本を飛び出してから、数々の賞を総なめにして再び日本に帰国してこの本を書いたのだそうだ。今は「日本の誇る」大御所も若いときはかなりの無茶をしたりしている、そういうことが判るだけでも一読の価値がある。そして、数々の賞を軒並みかっさらってやはり非凡な才能というのをひしひしと感じさせられる。