最高傑作はこのルポ集じゃないかな。20台半ばでこの洞察力と文章力。素晴らしい。最近では臭いと評判の沢木文体だが、やっぱり才能に溢れてるよこの人は・・・。
一風変わった登場人物達。
<br />数編のエピソードから構成させている。
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<br />「鼠たちの祭り」に痛く感動を覚えた。
<br />商品相場の世界が、書物に登場するのは、そう機会が多くは無い。
<br />K氏の低迷期に、道に迷ってふと見上げると目の前に現れたものは、なんと・・・。
<br />運命とは、そう言うものかもしれない。思わず目頭が、熱くなった。
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<br />そして、「鼠」の意味。
<br />なるほどと思った。そして、素敵な解釈だと心が震えた。
<br />素敵な「鼠」達に乾杯!!
<br />買って買って買いまくれ!!
窮乏者、元売春婦、辺境の孤島に住む人々、鉄くずの仕切り屋、革命家、詐欺師・・・。社会では影の部分に位置する人々にスポットを当て、執念深いほど深く、抜かりの無い、己の身体を駆使して、この濃いルポタージュを完成させている。それぞれの人生は、様々な状況に翻弄されている。筆者は思想性を抜いて、客観的な立場から彼らの人生を観察し、その思考や経緯について解釈している。筆者のルポライターとしての洞察力に感嘆させられ、文章に対する研ぎ澄まされた鋭利な才能を感じた。