かなり面白い本だっただけに、この終わり方には正直がっかりです。アイスランドのような、広大な国土を持ちながらも不毛の地を旅したのなら、そのエピソードも読みたい。
<br /> さらに一巻から六巻になるにつれて、旅のテンションもどんどん低くなってしまった。そこも残念。一巻から三巻までが星5つ。四巻、五巻は星3つ。そして六巻は星2つかな。
巻ごとに、読むスピードが加速していって、5巻、6巻は続けて読破しました。
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<br />道中での人との出会いのすばらしさ、不思議さが語られているのが私にとってこの本の一番の魅力です。沢木さんがであった人々に私も会いたくて、旅への欲求が募っていきます。
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<br />ただ終わり方が、あまりにもあっけなかったような気がします。6巻にわたる長い旅の記録ですから、最後にまとめ的な要素がほしかったと読者の立場から思います。それともこれは旅の終わりではなく、次の旅への引導なのでしょうか。
旅の終わり方について、こだわり始める本人。
<br />どこでどんな気持ちになれば、旅は終わるのか。
<br />それを求めユーラシアの果てまで行く。
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<br />物理的な旅は、いつでも終われるが、内部からの何かしらのサインを必要としてしまうあたりは、非常に繊細な感受性を感じる。
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<br />だが、ロンドンへ着いてからのあっけないほどの幕切れは
<br />いささかがっかりだ。
<br />読者を放り出して、一人でさっさと降りていってしまうような
<br />取り残されたような疎外感を感じたのは私だけだろうか。
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<br />また、どこでも、いつでも、思い立ったときに終われるという気持ちの
<br />もとに、「コインを入れずにダイヤルする・・・」のくだりは、
<br />本当に、旅を終わらせたのか、終わらせなかったのか、日本へはそのまま帰ったのか、それとも、・・・ほかのどこかへそのまま流れていったのか・・・どうもスッキリしない終わり方だ。
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<br />あれほどまでも、終わり方にこだわっていただけに、あっけなさすぎる。
<br />ここまで長く読んできた終わりが・・・これなのか。。。放心状態の私を放置したまま・・・あっさりと文章は閉じられていた。
<br />胸をかきむしりたくなるような・・・終わりに納得できないのは、読者側ではなかったか・・・。
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