すべて読み終わった後に、何故かどうしようもない脱力感のようなものを覚えました。これは、架空の小説でも何でもなく、現実にこの日本で起こった事件なのだと思うと、やるせない気持ちになります。
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<br />個人的に「反省し「シャバ」に戻った少年少女のそれから―名古屋「アベック」殺人事件)」が一番気になり、こちらを購入したのですが、現実として・・・加害者から反省の色は何一つ伺えない。
<br />やはり少年法という壁は厚く、本当の意味での更正というのは困難なのだと思うと、「これが現実なのか・・・」と溜息が出ました。
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シリーズ4冊目。前3冊に比べて圧倒的に読後感が悪い。殺人行為の背景を切り裂いていくルポ形式も、最初の方の巻は鮮やかさが目に付いたがこの4冊目はただただやるせない胸の悪くなる思いのみが残る。「警官立ち去り事件」など特に、無念さと醜悪さがないまぜになって読んだあと大変気味が悪い。編集部とルポライター陣が、取材し続けているうちに自家中毒を起こしてしまったような一冊。
この本読んで一番に思った事です。読むのが辛くなって途中で何度も止めた事件もあった。被害者が殺されるまでの過程から、事件後の遺族が受ける理不尽な状態を読んでいると、本当に「報われない」としか言いようがない。一度事件に巻き込まれると、もう地獄しかないと思った。