500ページを超える重量級の本。ここにいろいろな角度から見たハワイイ(ハワイではなくこう呼ぶのがハワイ語に忠実ということ)が描かれる。
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<br />火山の島ハワイ島、ハワイの動植物とその由来、タロ芋から見た農業とその搾取、カメハメハ王と帝国主義下のハワイの歴史、フラダンスとレイの真の意味、ハワイ語の保存、サーフィンの発祥地としてのハワイ、海を渡ったハワイ人とその航海術、ヨットの話、鳥とミッドウェイ島、ハワイ島の日本人がつくった「すばる」望遠鏡。
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<br />最後の二つを後に足して、この完全版ができたわけだが、僕が個人的におもしろいと思ったのは最初の火山の章。ちょうどキラウェアを観光する前に読んだので、この、今はすっかり黒く冷たくなった溶岩が、ちょっと前まではどろどろと流れていて、そこに住んでいた人の家を少しずつ飲み込んでいった事実を知った上で、生きた溶岩が海に流れ落ちるエントリーポイントを遠くから眺めると非常に感慨深いものがあった。
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<br />あと、サーフィンの話もおもしろい。どちらかというと、読書家で生真面目な印象を受ける筆者が一度サーフィンのまねごとをしただけでハマったほどおもしろい。サーファーの言葉が感動的だ。「あと一年の命ですといわれても、やるのはサーフィン。あと一ヶ月の命ですといわれても、やっぱりサーフィンをする」。
<br />僕はワイキキでやろうと思っていたら、とんでもない人の洪水だったので、結局できなかったけど、日本に帰ってきてから絶対やろうと思った。
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<br />とにかくこの本を読むと、ハワイを単なる観光地だとしか考えていない人たちにとって、ハワイを立体的で血の通った土地であることを認識させられる。僕のように観光しながら読むといいだろう。飛行機も7時間かかるし、プールサイドで一休み、読む時間はたっぷりある。
日本で言えば、幕府の時代からの歴史を知り、
<br />現在を知ると言う観点から、
<br />非常に精査した歴史本。
<br />ハワイを好きになればなるほど行けば行くど、
<br />ハワイの歴史を知りたくなる、そんな意味からも
<br />とても参考になる一冊です。
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本書のような見方を、知識として知っておくことは意味のあることだとは思う。しかしハワイは観光で食べている人も多いので、問題のない旅行者であれば、多少の不勉強は大目に見てくれる場所でもある。著者ほど「知る」ことは、ハワイの人にとってはどうでもよいことであり、著者が本書を記したことは彼らにとってはある意味において迷惑なことかも知れない。
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<br />立ち読みで済ませられる密度と量の内容ではない。
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<br />再読に値する内容かどうかは読み手の好みしだい。私は再読しないと思う。
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<br />装丁がしっかりしているので、書架に一冊あってもサマになる。
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<br />本書にの内容は他書に類をみないので、その意味では持っていて良い一冊。
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