今日は大晦日。こんなことをしている場合ではないのですが・・・。
<br />大晦日(おおつごもり、おおみそか)の前の日は、小晦日(こつごもり)と言うのですって。
<br />一日、一ページ。ほっとする挿絵と十行くらいのエッセイ、そして「なんの日」という豆知識。
<br />一色刷りですが、季節が変わると、少しずつ色も変わります。
<br />日本の暦と季節や行事の知識が、毎日増えていくのが楽しみになりそうな、
<br />おーなり由子さんの集大成とも呼べる、とてもすてきな一冊です。
<br />目の前には「一日一ページ読む本」が四冊。多すぎますね。中でもこの本が一番好きです。
<br />明日から始まる一年が、よい年になりますように。一月の呼び名が「睦月」の他にも、
<br />早緑月 さみどりづき/霞初月 かすみそめづき/初空月 はつそらづき/暮新月 くれしづき/陽春 ようしゅん
<br />こんなにあることを、この本で初めて知りました。
ひ・ら・が・な・暦…なんとやさしい響きを持っているのだろう…そっと、本書「ひらがな暦」を開くと、宮沢賢治の童話の世界に誘われて行ってしまいそうです。著者が絵本作家であるからでしょうか、毎日のページにイラストがついて、言葉は作者創作の散文詩が散りばめられていて、ささくれだった心が癒される気がします。例えば、一日だけ挙げてみましょう。
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<br /> 4月21日 地球の触診
<br /> 雨がふったあとの地面をさわると、まるで発酵しているみたい。
<br /> てのひらで、地球の触診。
<br /> すいつくように、ぬくい蒸気があがってくる。
<br /> 土の中が、ふかふかとぬくい季節。
<br />
<br /> 下欄には「なんの日」とか、季節の特徴とか、旬の食べ物とかが、これも優しい語りかけの口調で記されていて、とても親近感が持てます。
<br /> 心の暗くなるようことの多い昨今、こんな心優しくなれるような記事で通されている本書「絵ことば歳時記」とサブタイトルが付いているように、荒んだ精神の浄化されるような「おとなの絵本」です。一年間これを愛読すれば、きっと「心優しい人」になりきれる気がします。
優しい絵日記のような本。
<br />ほんわかしたイラストと優しい文章で心があたたかくなる1冊だと思います。
<br />366日毎日に「何の日」と説明も添えられており、大切に読み、手元に残しておきたい本です。
<br />暮しの手帖社「すてきなあなたに」の現代版という感じでしょうか。
<br />「すてきなあなたに」と共に、イライラしがちな日常を送る私自身にとってはなくてはならない1冊に思えます。