この本は、今までに知らなかった白洲正子さんに出会えます。<br>特に、娘さん(牧山桂子さん)が書いた部分が最高に面白い。<br>何が面白いかというと、家族だけが知り得る白洲さんのエピソードが満載だからです。<br>白洲さん本人や、知人友人が書いた文章では読めない、<br>面白い話が沢山で、<br>「えっ、こんな人だったの?」「こんな夫婦だったの?」<br>と笑えること請け合いです。<br>写真が沢山載っているのも、見応えがあっていいです。
白洲正子さんほど美というもののの奥深さやぬくもりということをこれほど垣間見させてくれる人はいないのではないでしょうか?昨今のアンティークブームや欧米ブームで、ライフスタイル提案者?やアンティーク収集家のアンティーク雑貨てんこ盛りのお宅自慢本は山ほど出てますが、どれも家とのバランスが奇妙で見ていて気持ちの悪くなるものが多い。いんちきヨーロピアンハウスのオンパレードに違和感を感じている人は、白洲さんご夫妻の武相荘での暮らしにその答えを見出せるはず。「武相荘」のインテリア大公開からはじまり、生け花の話、器の話、着物の話、洋食好きな正子さんのお気に入りのレシピが載っていたりと読み手を飽きさせない一冊。ただ個人的には、大好きな土間部分の写真がないのがちょっと残念だったな。。まさに成金ではない本物の究極のセレブライフ本と言えるでしょう。本当の豊かさを感じさせてくれる一冊です。