大胆かつ直截な題名に惹かれて、頁を繰ると性器図や枕絵のオンパレード。立ち読みもままならず、手っ取り早く購入。中身は江戸文化に精通した元都立深川校長の執筆で、予想に反し、文章にいやらしさが無く、素直に読み切れる。「柳多留」など古川柳の引用や淡々とした筆の中にユーモアもあり、情景を思い浮かべ思わず含み笑いする。体位を想像して無意識の内に、身をひねったりしてしまうので、通勤途上の読書は止めた方が良い。周囲から不審の目で見られること間違いなし。
「おさめかまいじょう」は遊女屋の主人が書き記した、遊女に対する性技指南書である。今でいう接客マニュアルにあたるのだろう。あくまでマニュアルなので文章自体は淡々としているのだが、細部に渡って記されたそのテクニックには唸ってしまう。門外不出の書だったそうだが、「どうやって男だけをいかせるのか」という内容を考えればそれも頷ける。
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<br />本書はこの「おさめかまいじょう」を真面目に解説したものが大部分を占めるのだが、これが非常に面白い。真面目に書かれた本なので襟を正して読まなければならないのかもしれないが、リアルすぎて笑ってしまう。
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<br />そして、興味が先走ってページを捲る指が止まらずあっという間に読み終えたのだが、文章を読んでニヤニヤ、春画を眺めてニヤニヤしている姿は決して他人には見せられないものだったに違いない。
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<br />現代の性風俗もあと100年も経った時には、「平成文化」として研究されることになるのだろうか。その日が来ることを楽しみに、長生きしなければなるまい。
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まず冒頭の遊女性技指南書「おさめかまいじょう」の詳細解説に度肝を抜かれる。遊女としてよい性器、悪い性器、イラストつきでドドーン。男のタイプ別イカせ方。
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<br />体位研究など実に真摯に快楽をもとめた江戸の性風俗を緻密に追う・・・豊富な春画付きで。むさぼるように読んでしまったが、実際のところ読む場所に困った。
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<br />自宅で腰を落ち着けて読むものじゃなし、さりとて電車の中で読むには全ページ満載の春画が気になる。
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<br />結局、カバーをかけ、電車の中で横のひとに見えないよう注意深く開けて読んだ次第。