徳川15代将軍の持病や病歴、そしてその死因に至るまで、医学の知識のないものでも面白く読める。特に、5代将軍綱吉が130センチも身長がなかったというのに興味を引かれた。低身長のコンプレックスなどが偏執な性格を生んだのでしょう。
<br />病気や持病は性格を決定付ける。ましてやそれが最高権力者だと、時代を動かす。この一冊を読んで、そのことを強く感じた。
まず位牌の高さが将軍の亡くなった時の身長と同じ高さに設定している事に驚きました。
<br />当時の平均身長が157センチ程度だったそうだから、五代将軍綱吉の身長が
<br />124センチというのは抜きんでて低いのですね。
<br /> 単に歴代将軍の健康状態や死因だけを取り上げるのではなく、当時の歴史背景や逸話も入っており、
<br />読み物として非常に面白いです。
<br /> 私が興味深いと感じたのは、織田家の血が徳川将軍家や皇室に受け継がれた話と、
<br />尾張徳川家が八代吉宗の倹約令に逆らって派手にやることを奨励した話です。
<br />後者など、今の名古屋文化の土台につながっているにではないでしょうか。お勧めの一冊です。
これがこの値段なんだから新書はありがたい。
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<br />新書がブームとあって中にはタイトルだけで中身空っぽのようなものもあるけれど、この書はお買い得。
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<br />まずデータバンクとして1冊あると重宝する。
<br />江戸時代というのは途中から学者が出てきたり、老中や大老による政治が行われるので、歴代将軍をコンパクトにまとめた書というのは意外に少ない。
<br />あっても専門的すぎるきらいがあるから、その点でもこの本は最高。
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<br />もちろん読み物としても楽しめる。
<br />文章も読みやすいし、著者の専門を見事に生かした良著。
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<br />これ読んだあとに
<br />大宅壮一の『実録天皇記』あたりへすすめると
<br />支配者層には支配者層の悩みがあることがよくわかる。