これは旅のバイブルだと思った。細かなルートや必需品が載っているノウハウ本というよりも、自分が何をしたいのか迷っている学生やジャーナリストを目指す人にとっては非常に参考になることが沢山書かれている。どんなに経験豊富なプロでも最初からプロだったわけではないと知ると、当たり前のことだけれどほっとする。続けていくことが自信につながることをこの本を読むとよくわかった。
戦場で生きる人々の姿がじんわりと伝わってくる。生きるためには食べる、そして食べるために闘う人々の極限状態での生活は、平和な日本に住むわれわれにとって衝撃的でもあり、感動的でもある。いつもテレビで見ていた著者とはまた違った独特の雰囲気が、心にしみた。後半になって残りのページが少なくなったとき、読み終えてしまうのが惜しいような寂しいような気分にさせられた。ジャーナリストとしての冷静な視点に加え、現地の人々に向けられた優しい視線が印象的だった。
アフガン、サラエボ、チェチェン、イラク・・・あらゆる戦場を取材した佐藤さんが「戦場で何を食ったか」。個人的にはイワシ&バナナを食したアルバニアのお話とかメシ関係ではないですが、イラク攻撃開始前後の「迫真」ぶりがちょっと面白かったのですが、全体の印象として、筆者が置かれた戦場の「極限状態ぶり」がなかなか文章から伝わってこないのです。
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<br />弾がビュンビュン飛んでくる戦場、それこそチビりそうな状況だろう、、、、と想像してしまうのですが、百戦錬磨、場数を踏んでいる著者の筆致がやけにアッサリしていて、エライ目にあっているんだなあと思いつつ、失礼ながらあたかも「日記」の如く読めてしまいました。妙な誇張をしていない分ジャーナリスティック、と言えるのかもしれませんが、敢えて「戦場」と「メシ」という一見そぐわないテーマ設定をしたのですから、もう死ぬかと思ったわ〜!でも××旨かった!とか?もうちょっと面白く書ける筈、なんて素人ながら思ってしまった。