医学的な解説云々については他の方に譲りますが、内容以前の問題として日本語の文章として意味が取りづらい箇所が多く、読み進めるのに根気が必要。
<br />全音という大手出版社のものにしては校正や文章チェックが甘いという印象が強い。
<br />イラストもあまり上手いとはいえず、加えて、例えば声帯の部分では咽の輪郭を書き添えるなどのわかりやすさが欲しい。
<br />またそのレイアウトも、解説している文章と同じページに配するなどの工夫が欲しい。
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この本のなかには解剖学的な説明が多く出てきますが、まず最初に解剖学の素人である著者の説明に、どれほどの信憑性があるのか疑問であり、説得力に欠けます。加えて雑なイラスト、説明が難解であり、表現力が乏しく非常に読みづらい。いったいどれほどの人が理解できる内容なのか疑問です。著者は呼吸法について、「天才」とか「名人」でない凡人は理論的に理解する必要がある、と述べていますが、そうであるなら、もっとわかりやすい説明をするべきなのです。
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<br />トランペットの演奏には、イメージすることやバランスを考えることが大切ですが、この本は奏者を固定概念に束縛し、バランスを失わせる危険をはらんでいます。
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すでに多方面の方々が仰っておられるように、ベルカント奏法の入門として、また、数少ない、しかも有用な呼吸法の教本として、非常に良くできた、素晴らしい教本だと思います。<br>ただしかし、残念なのは、もう少し「医学的な話を押さえて」記述して頂きたかった…ということで、これは学生的な観点なのかも知れませんが、似たような筋肉の名前が多く、混乱してしまうようなこともあるでしょうし、何より、基礎として一番読んで頂きたい、小・中学生の皆さんには少々難しいような気がします。<p>ですが、前述の通り、非常に画期的で、とても素晴らしい教本であることは疑いようがありません。<br>値段も安価ですし、あーだこーだ言う前に、取り敢えず購入して、読んでみてはいかがでしょうか?