私のようなクラシックにあまり詳しくない者にとっては、知っているベートーヴェンの交響曲といえば「運命」と「第9」、さらによくて「田園」程度です。ましてやタイトルのないこの交響曲第7番など、おそらく一生ご縁のない曲だったでしょう。そんな私にこの曲を紹介してくれたのが、ドラマ「のだめカンタービレ」でした。心の底から「かっこいい!」と感動した曲は他にありません。書かれてから200年以上経っても全く魅力が色あせることのないというのはいったい何なんでしょうね。
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<br />私はこのスコアはシンセサイザーで演奏したいと考え購入しました。届いてみるとあらビックリのハンディーサイズです。少し大きめなコミックス単行本と同じサイズのこのスコアは、最初とまどいましたがなかなか扱いやすく、見やすかったです。(これで指揮をするのはつらいでしょうが・・・)
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<br />音楽理論がまったくわからない私ですが、CDをかけながらスコアを追っていくと、この曲(ベートーヴェン全般?)がユニット式とでも言うのか、いくつかのパターンがキレイに配置され構成されているように感じます。この規則的な記号の羅列はなんだか美しく思いました。
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<br />余談ですが、クラリネットとホルンは A Dur、トランペットは D Dur で書かれているのでピアノなどで弾くには移調が必要です。
この作曲家の作品には間違ったものがまずないといっても過言ではない。そして、本作品はその中でもおそらく一位、二位をあらそうものであると言い切る。編成としては、標準的な二管編成であるし、形式は非常に伝統的なものを極めて厳格に踏襲している。これらは当時、作曲者の目の前に並んでいたものに過ぎず、今でいうならば特殊楽器等は一切使用していない。また、この曲の旋律もよく聴くと、実はちょっとしたリズムの工夫、組合わせと単純な音階を利用しているにすぎず、ややこしい連符、転調旋律などは使用していない。和声的にも非常に単純である。しかし、それら単純なものたちを、どのように組合わせるとこのように巨大なものが出来るのであろうか?たとえば、四楽章のコーダなどはよくもまぁこんな簡単な編成であのようなおそろしい響きを作り出せるものだと感心してしまう。もちろん、演奏する側にそれらを実現するだけのポテンシャルがなければ不可能であるが、逆にいえば、演奏する側の能力を遺憾無く発揮させてくれる素材とも言える。簡素な素材と単純な調理法から無限のうまみを引き出す和食に通じるものがあるというのは言い過ぎであろうか?是非目でもご確認ください。