下にも挙がっている通り「入門」という割にはあまり深い部分まで突っ込んでいません。
<br />本格的に論理学を学ぼうと考えている方には、もっと良い入門書があると個人的には思います。
<br />
<br />ただ、こ難しい書き方をしておらず、ジョークを交えた例文や解説も面白いので、
<br />「論理学とはどんな学問なのか知りたいな」くらいに思っている方には、
<br />新書ならではの良いレベルの内容ではないでしょうか。楽しく読めます。
著者が書くように、この本で得た知識がというより、
<br />その解説を理解するために使った頭の働かせ方が、論理力を鍛えてくれる。
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<br />お説ごもっとも。
<br />ものすごい集中して読まないと、ことばがさっぱり頭に入ってこない。
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<br />論理学とはことばとことばの関係を問題にする学問であり、
<br />そのことば自体を検証する学問ではない。
<br />ウソとウソとをつないでも、その関係がことばとして正しければ、
<br />論理学的にはOK!なのである。
<br />
<br />ということは屁理屈の学問ともとれやしまいか。
<br />
<br />いやはや、口論に強くなりそうな学問である。
<br />ヒネた私の好物だ。
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<br />以前この著者の『論理トレーニング101題』というのを読んだ
<br />(読むというより解くというものか)のだが、
<br />それは横書きで記号もたくさん出ていた。
<br />
<br />今回のこの本は新書版で、記号で解説しがちの論理学を
<br />記号なしで縦書きにした意欲作。
<br />ことばとことばの関係を、ことばで説明している。
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<br />読むのに時間がかかるが、おもしろい。
<br />しかし入門としながら、論理的な思考の訓練ができていない人には
<br />少々荷が重いかもしれない。
<br />ということで☆4コ。
英語の introduction の訳語には「入門」と「紹介」がある。だが、「入門」は「ある分野を勉強しようとする人のための第一歩」、「紹介」は「ある分野の要点を手っ取り早く見せる案内書」といった意味の違いがあるのではと思われる。本書はその意味ではむしろ「入門」よりも「紹介」というタイトルが相応しいのではなかろうか。ただその内容は非常に個性的だ。まず、本格的論理学入門書では決して出来ない縦書きである。つまり、(標準的な)記号や論理式を使えず、全て日本語で表現しなければならない。また、通俗的入門書でよくやる真理表を使った導入も無い。おそらく世界で初めての「縦書きによる自然演繹法の紹介」に挑戦しているという画期的(冒険的)な内容なのである。
<br /> 但し、本書一冊で論理学に入門できるというのは、やや過大な期待というものであろう。