本書を読むためには専門知識が必要だと思いました。
<br />建築家の名前はたくさん出てくるし、建築家的な視点もたくさん出てきます。
<br />新書としてはあまりに専門的で、素人の私にはつらかったです。
<br />写真がもっと載っていたら多少は読みやすいかもと思いました。
<br />ただ、筆者のいいたいことというのは伝わってきます。
<br />今後の景観というものを考える上では非常に参考となる意見が多かったです。
都市の美観といっても、その美醜の判断の難しさを教えてくれる本です。
<br />杓子定規な「美しさ」の定義を用いたら、北朝鮮の平壌がシンメトリーで安全で整然とした「美しい都市」となるという逆説は秀逸です。
<br />ただ建築家の固有名詞や建築物の名前がでてきても写真がないものも多く、また見たことのない映画についての解説もなんのことか分からず戸惑う部分もありますが、「美しい日本」という時の美しさの定義の難しさ・法律的な規制の危うさがよく理解できました。
これは、おもしろい。なるほど、専門家は、こう見るのか。ということがわかる。なにげなく、あまり何も感ぜずに見ていた景色を見ることが楽しくなる。