13徳で有名なフランクリンの自叙伝だ。
<br />勤勉で極めて合理的な考え方が随所に現れている。
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<br />箴言的なものいいも興味深い。
<br />「確かなことでも確信なげに話せ」
<br />「不遜な言葉には弁護の余地がない」
<br />「一度面倒を見てくれた人は進んでまた面倒を見てくれる。こっちが
<br />恩を施した相手はそうはいかない」など。
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<br />また13徳に関しては、「完全に道徳を守ることは、同時に自分の
<br />利益でもあるというような、単に理論上の信念だけでは過失を
<br />防ぐことはとうていできない。〜まずそれに反する習慣を打破し、
<br />良い習慣を作ってこれをしっかり身につけなければならない」
<br />と述べている。
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<br />そして徳を身につけるための具体的な方法が綴られる。
<br />毎日、手帳のチェックシートを使って徳を身につけるそのやり方は、
<br />日本人からすると違和感を覚えないではないが、確かに合理的な方法
<br />ではある。
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<br />いかにもアメリカ的、プラグマティズム的だが、凡人が良い習慣を
<br />身につけようとする時、最も効率的な手段かもしれない。
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<br />フランクリンの13徳の身につけ方についてはいろんな本が出て
<br />いるが、やはり元となっている本書を読むことをお勧めする。
<br />その方が背景にあるフランクリンのものの考え方も分かるからだ。
<br />時間のない方は13徳の部分だけ拾い読みするのもいいだろう。
古典を見直そうと「フランクリン自伝」を再読。以前は岩波文庫で今回はソースを変えようと本書にしましたが正解でした。快適な新書サイズ、きれいな活字と紙質と推敲された訳文。アメリカ文学者の渡邉氏による28ページの解説は、目から鱗が落ちるほどのインパクトがありました。再読して感銘は前より深まりましたが、理解は変化しました。以前は13徳目に目を奪われましたが、実はそれは副産物で、源泉は「因果関係をおさえる能力」、「工夫する能力」のようです。成功の骨格ができてから13徳目で整理しています。
<br /> 父が「こうすると、ああなる」という思慮深い判断をしていたのが根底でしょうか。物理学者ファインマンさんも実は父親の「因果関係をおさえる」教育の賜物です。親が実存をかけて子供に接し薫陶することがやはり最高の教育です。日本はやばいかも知れません。移民の国では人物評価が根源で信義ある人間には支援が集まること、それを理解して信義を重視し人間関係を大切にする生き方をしたことに気づきました。また、16歳で出会ったソクラテスの弁論術、その意義は大きいようです。将棋で言えば10手詰めのような論理展開の訓練であり、会話や生き方の武装になった気がします。現代でいうと、サッカーのオシム氏と共通する人物のように感じました。西洋では危機管理のための教養書に「フランクリン自伝」は推されていますが、納得しました。是非(再度)読みたい名著です。
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フランクリンプランナー(時間管理の方法)を始めるに<br>あたって、解説書を読んだ。この中で紹介されていたのが<br>この本。岩波文庫の同書だと価格が安いのだが、活字がつ<br>ぶれたような印刷で、ちょっと敬遠してしまった。<p> 内容的にはスラスラ読める内容ではない。戻りながらじ<br>っくりとゆっくりと考えながら読む本。堅実、勤勉とはな<br>にかと言うことを、精神論に偏ることないない内容で聞い<br>てみたい方は、この本がおすすめです。