良書「人を動かす」を読み、カーネギーの人間性に憧れ是非自伝を読んでみたいと思い手にした本だったが、残念ながら最後まで読めずに断念。
<br />この点数はカーネギーではなく翻訳者へ、そして結果本書への点数。
<br />本書は英語の原版から日本語訳されて出版されたようだが、日本語の言い回しが複雑怪奇で非常に回りくどく、読む度に疲労とストレスが溜まった。
<br />翻訳者の経歴を見るとほとんど日本に住んでいないようなので日本語に弱いのはある程度仕方ないと思うのだが、深い興味を抱いて読み始めた本で完読を断念したのは初めて。この翻訳者の表現が個人的に合わなかったのだと思うが、残念ながら彼女の訳書は今後読まない事にする。
莫大な富を得たカーネギー。まさにその人生を疑似体験できたような気分で読むことができた。
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<br />勤勉で常に報酬以上の働きをして、自分の強く信じるものを持っている。家族を愛し、会社、従業員を愛し、そして国を愛して、大事なものをたくさんの人に与え続けたからこそ得た富であろうと思う。
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<br />ものの考え方、受け止め方がやはり、なるべくしてなった成功者なんだろう。自分もこのものの考え方、受け止め方を習慣づければ本当に成功者になれるかもしれない。
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<br />「成功」という言葉に強く関心を持つ人は必ず読むべきである1冊だと思う。
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100年近く前(1914)に書かれた本だが、「今」の生活に直接つながる教訓に満ちている。
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<br />度々出てくるのが「幸運の女神には前髪しかない」という諺。成功に至る過程でのキーワードとなっている。
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<br />カーネギーは13歳で糸巻手として工場で働き始めたときから、目の前の仕事に全力を尽くす上に常にチャンスを窺う。上司やお客様が困っている時がチャンスで、ここぞと言うときに日頃から蓄えておいた力を発揮し、認められていく。
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<br />二十歳そこそこのとき、上司からよい未公開株の斡旋を受けたときは、家族を説得して家を担保にいれ、借金をして株を買う。金の工面に走ったのは母親だから、母親も立派。こうしてカーネギーは「金の卵を産むガチョウ」を手に入れることになる。
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<br />面白いのは、一般的に英語圏で言われる諺「全ての卵をひとつの籠に入れるな」を否定していること。「よい卵をみんな一つの籠に入れて、その籠から眼を離さない」のが正しいという。投資をマネーゲームとしてではなく「事業」と捉えていたカーネギーならではの言葉だろう。
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<br />家族に愛され、友に愛され、従業員に愛され、そして莫大な財産を寄付により社会に還元した生き方をもっと多くの成功者の手本にしてもらいたい。