マキャベリのこの「君主論」は純粋な政治学の古典的名著である。その点では他のカスタマーの方々はまだ読みが浅い印象を受ける。
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<br />例えば君主論の記述の中に
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<br />「君主が尊敬を集めるには、なによりも大事業を行い、みずから比類のない手本を示すことである」
<br />「早いうち気づいて手当てをしないと、時がたつにつれて、病の発見はやさしくても治療がむずかしくなる」
<br />「民衆にあることを説得するのは容易だが、説得されたままの状態に民衆をいつまでも引きとめておくことはむずかしいのである」
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<br />これを地で行っているのが小泉純一郎だとはいえないか?「郵政民営化」という「大事業」を行い、「不良債権処理」という「治療」を行い、発足当初から高い「内閣支持率」を維持している。
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<br />まさに小泉純一郎は「政治学的」に見れば、高い評価を下せるのではないのだろうか?
私は以前まではこの種類の考えには肌さむい感覚がありましたし
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<br />多少理解しがたい感もありましたが、多勢のリーダーを経てさと
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<br />りました。
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<br />こうならざるを得ないんです。
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<br />現実的にこれが一番ベストに運びました。
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<br />人の主観なんてよほど強い信条が慣習がないと一致しません。
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<br />なにも少数派を弾圧しろという意味ではなく、少数の多少の
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<br />犠牲と多数の最低限の満足を選ぶのに迷った時にこの本を
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<br />参考にしてほしいのです。
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<br />とっても残忍な雰囲気もありますが事実この方が平和だったりします。
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<br />お読み物としても面白い。
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<br />熱中しましたし、訳がわかりやすい。
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<br />中庸思想が悪いというより、こちらの方がより現実的で、
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<br />よりただしいと思います。
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中国や日本の古典は 経営者にもよく引用される。「孫子」「五輪書」「論語」「日暮硯」等 いくらでも例は挙げられる。西洋の古典は 余りビジネス雑誌に出てくる事も無い。その中で 本書は健闘している。<p> マキャべりというと 元来悪いイメージが付きまとってきたのも日本である。性悪説に基づいた冷徹な「嘘つき」というようなイメージかと思う。小生もご多分に漏れず そんな先入観で一読した。<p> とんでもない。マキャべりは「人間とはどういう動物か」を語っているに過ぎない。<p> 彼には「人間の善悪」というものは無い。善い悪いは抜きにして ただ 「人間とはそういうものだ」という彼なりの冷静な分析を披露しているに過ぎない。その意味では科学者が実験の結果を報告しているだけと同じだ。但し そこに分析されている人間の姿が 我々にとって 時には辛辣であることが 科学者マキャべり自身の評判を悪くしている。マキャベリにしたら迷惑な話だ。<p>「いかなる手段も 結果さえよければ必ず正当化される」<br>「人は恐れている人より 愛情をかけてくれる人を容赦なく傷つける」<br> <br> こんな言葉を否定することは難しい。吉田兼好が読んだら大声で笑って同意したに違い無い。<p> 「辛いのは中傷でなく真実である」とは 誰の言葉だったか忘れた。 マキャべりへの毀誉褒貶の原因は 彼の本に含まれている 苦い真実である。そんな「苦味」が美味しいのは 小生も中年だからだろうか。<br>