世界にその名を轟かす二名。
<br />両者に共通するのは、生まれた年だけではなく、今の仕事の志を決めたのは中学校3年の時だった。
<br />本書では、同じ年に生まれ、それぞれのライフワークである文学、音楽を通じて対談をしている。
<br />全ての生活には科学が根本にあって、動機づけが行われる。
<br />二人の対談は、政治、日本、教育、人間性などに話がおよぶ。
<br />日本を代表する両名の書籍はおもしろいですよ。
昭和10年世代。幼少時代に戦時教育を叩き込まれ、戦争に行くには幼すぎ、戦後の180度の政策転換を感じるには十分若い感性を持っていた世代である。<br>同じ年に生まれ時代を共有できる友人、ジャンルを超えてライバルもしくはお互いが目標となったり刺激をうけたりする相手がいるというのは大切だと思う。<br>日本を代表する二人の芸術家の対談は非常に面白いものだった。<br>音楽でいう、作曲家と演奏者(楽器)の関係が、文学だと作家と読み手、読み手の中に楽器があるなら、よい楽器を演奏でくるような優れた読み手になりたいと思った。
60代半ばの二人の対談を読んで、年を重ねるとは経験や知識の積み重ねによって豊かになっていくことだと感じました。また彼らの生き方のように、文学であれ音楽であれ、なにかに真剣に向う人には、そこに生きた人によって生み出された独自の哲学を感じます。グローバリゼーションというのは外国の言葉が話せることや、インターネットで繋がっているというような表面的なことではなく、世界、あるいは狭い集団の中でも、どこでも通用する「個」というものを常に意識することだということがわかりました。<br>このように真剣な大人がいることを知り、世の中も捨てたもんじゃないなと思います。私も真剣に生きていこうと思います。