マンガが3巻までしか出ていないので、先が知りたくて原作小説を買いました。
<br /> 2巻の途中でマンガを追い抜きましたが、マンガの出来がいいことは確かですね。
<br /> 小説は、地図や武器、歴史、社会状況など物語設定が詳細に叙述されているのに対し、
<br />登場人物の性格設定にやや不満を感じます。
<br /> 舞台が完璧にできている割りに、登場する人間の動きや心理描写が十分でないのかな。
<br /> 舞台で言えば「拵えは立派だけど役者がねぇ‥」という感じ。
<br /> でもストーリーも面白いし、将校と兵隊の違いなど軍隊というものをきちんと
<br />捉えているところは立派です。
<br /> 緊張感のある戦闘場面もそのあたりに要因があるのでしょうか。
<br /> 続刊も読みますが、マンガがでたらそれも読みたいですね。
<br /> 役者が違えば同じストーリーでも面白いじゃありませんか。
<br />
マンガ版に対する小説版としてこの本を捕らえてはいけない。
<br />マンガの方は、この小説のバージョンアップ版だと考えて欲しい。
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<br />すでにマンガである程度のあらすじと時代背景を知っていると、
<br />数ページに渡る説明は苦痛でしかない。
<br />戦況説明、武器解説、背景解説のどれも、マンガの簡潔さを思い浮かべると
<br />不要だと思えてきてしまうのだ。
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<br />また、小説では新城以外の人間がまったく感じられず、寂しい。
<br />というのも、小説は新城の観点と状況説明のみで進み、
<br />他のキャラも新城を通してしか語られないからだ。
<br />逆にいえば、マンガのほうは、絵として出演させられるという
<br />アドバンテージに加え、小説の方の説明や解説を
<br />セリフとしてしゃべらせたり、顔で性格を語らせたりと
<br />キャラ立ての工夫も極めてうまくやっていることがわかる。
<br />
<br />SFな仮想戦記物としては、この説明量はしかたがないのだろうし、
<br />脇役や敵役まで書いていられないのかも知れないが、マンガの方を見ていると、
<br />もっとうまく出来たのではないかという考えもわいてくる。
<br />仮想戦記物として見て、星4つの評価としたが、
<br />マンガを見て、この小説を見た場合、たとえばこの小説が、
<br />マンガの小説化であったとすれば、星2つあれば良い方だろう。
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<br />マンガを読んでよほど世界観が気に入った方か、さもなくば
<br />マンガをまだ読んでいない仮想戦記好きにはおすすめできる。
戦争を舞台にした英雄の叙事詩である。<p>日本をモデルとしたような「皇国」とロシアをモデルとしたような「帝国」。<br>剣虎兵や導術、龍が登場するというファンタジー的要素を持つ世界で、<br>両国の近代戦が描かれている。<br>まるで日露戦争の様ではある。<br>中身は全く違うが、知らない人にはイメージしやすいであろう。<p>ファンタジーでは、とかく剣と魔法で完結していて中々近代戦を描く機会はない。<br>本作では、想像力豊かな著者が、得意の戦争知識を総動員して、<br>社会状況から火器、戦略、戦術を詳細に組み立てて描いたものである。<br>世界設定、登場人物、それぞれに魅力的であり、時々難しい言葉も出てくるが、<br>総じて分かりやすい文章だ。<p>9巻も出ているので、ほぼ完結だろうとたかをくくって全巻購入し、<br>一週間で読んだが、まだ「続く」かよっとびびった。<br>前半、1~4巻ぐらいまでは非常に良く出来たつくりで面白いのだが、<br>後半から少しずつおかしくなってきたように思う。<br>設定が少しずつ変ってきており、主人公の直衛もなんだかなぁ、<br>というキャラクターになりつつある。<br>純粋なイヤラシサが減り、歪曲したイヤラシサになってしまった。<br>途中まで読んでしまったので、続きを読みたい気もするが、<br>1巻を読み終わった時に感じた次の巻を読みたい誘惑は、もうない。<p>世界設定から、登場人物まで魅力はあるので、<br>戦争系のお話が好きな方は、お時間のあるときにぜひ読んでみてください。