皇国の守護者〈6〉逆賊死すべし みんなこんな本を読んできた 皇国の守護者〈6〉逆賊死すべし
 
 
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皇国の守護者〈6〉逆賊死すべし ( 佐藤 大輔 )

私は原則的に新刊本は買わない。シリーズ物は古本で集めて完結するのを待って一気に読む。だから、隆慶一郎や藤沢周平が鬼界に入ったときには非常に寂しい思いをすると共にホッともした。もう新刊を追っかけなくてもすむ。佐藤大輔はその様な私にとって例外の一人だ。しかも彼はシリーズ物が多く、中断されたものも少なくない。<p>この「皇国の守護者」シリーズも一気に読ませる。次巻を心待ちにさせる展開はストーリーテラーとして彼が傑出した力を持っていることを否応無く私に認識させる。<p>今巻の新城直衛は比較的苦悩しない。一つの戦いを演出する舞台を得てその状況を楽しんでいる。臆病で大胆、優しくて冷酷、逡巡しかつ決断する正に分裂症とも言える直衛。しかし、相反する二面性は誰の中にでも存在するものだろう。戦場という究極の状態で男たちが変態を遂げてゆく。内面から新しいもの潜んでいたものがヌメリと姿をあらわす。<p>このシリーズの作中人物を動かすものは衝動だ。行動を規定する原理は理性ではなく衝動、強い欲求だ。新城直衛のみがその事を理解しているのかもしれない。その衝動に突き動かされるように守原が動く。皇都ですすむ守原の陰謀。衝動によって惹起された状況を理性で糊塗する草野の胸のうちに潜む衝動とは。蓮乃に向けられるのか佐脇の妄執。今巻の副題「逆賊死すべし」の真意は。次巻、発売日を待て。

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皇国の守護者〈6〉逆賊死すべし
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