皇国の守護者シリーズ第七作目。レッドサンブラッククロスや信長政海伝など戦争シュミレーション作家で有名な方だが、この皇国の守護者シリーズは、ファンタジー要素にもあふれていて、ライトな人でも読みやすい。龍や剣牙虎といった魅力的な生き物の登場や、主人公新城が、敵国の王女を奪い取り恋仲になるなど、ファンタジー物の王道要素があるからだ。<br>物語は、ようやく佳境に入るというところだろうか、実際の戦場にいるようなリアリティさは、良く描きこまれた舞台背景や、登場する人物、武器といった物の精密な描写によるものだ。主人公の立場から戦略的な様子を探るが予想がつかない。面白い！<帝国>東方辺境鎮定軍の冬季攻勢を耐えきり、一時の安らぎも無いまま、<皇国>内部での争いが始ま�!��うとする。政敵のもたらす策略をどう乗りきるのか？楽しみが尽きない。あまりにも緻密に描写された文章にライトな人は敬遠してしまうかもしれないが、そんな事はない。物語の主軸だけを追うように読んでも、その面白さが分かる。ぜひ一読してもらいたい。