内田民法の家族法編。
<br />判例の解釈を中心に所々で自説を展開している。
<br />
<br />それにしても内田先生の教科書は読みやすい。
<br />法解釈を概説するだけの本は,実際の事件でその論点が
<br />どう問題になるのか自分で考えてイメージしなければならない。
<br />ところが,この教科書は随所に判例を題材とした設例を使い,
<br />問題を提起し,それに解答するという体裁をとっている。
<br />そのため,読み進めるだけで実際の事件で論点が
<br />どう問題になるのか自然と頭に入ってくる。
<br />
<br />家族法の分野は平成に入ってから続々と重要判例が出ているので
<br />出版が新しいのもうれしい。
<br />
<br />
豊富な事例やグラフなどを用いているので親族、相続が立体的に<br>理解できる様かなり工夫されている。往々にしてこの分野は<br>平板な記述の教科書が多いが、本書はそういった退屈さからは<br>無縁のものである。<br>また判例などについても広くカバーされているので、各種試験対策に<br>有効。
これまでのシリーズ同様、親族・相続のことがよくわかります。やはり、民法の基本書といえば内田貴の右に出るものはいないと再認識される本です。